ジャックと豆の木

 ジャックは、母親と2人で貧しい暮らしを送っていました。ある日母親はジャックに、飼っている雌牛を市場で売ってくるように言います。ジャックが市場へ向かう途中、男が声を掛けてきました。男は雌牛と五つの豆を交換しようと言います。天まで届く魔法の豆だと聞いて、ジャックは取り換えることにしました。
 母親はジャックがだまされたのだと思い、怒って豆を外に投げ捨てました。ところが翌日、そこには太く高い豆の木が天に向かって伸びていたのです。
 ジャックは豆の木を登り、雲の上の大きな家にたどり着きました。人食い鬼の家でした。鬼が寝ている隙にジャックは金貨を盗み出します。
 見開きいっぱいに力強く描かれた豆の巨木。広い広い雲の上の小さなジャック。2頭の牛を引きずる力を持つ人食い鬼は、足元から見上げるように描かれ迫力満点。素晴らしい絵の数々が、この物語の臨場感をさらに高めています。
   
  解説:柴田麻衣子(横手市図書館課)
 
▶お父さん・お母さんへの内緒話
 ジャックと豆の木は英国の昔話。文や絵を変えたり、簡略化して短編に仕立てたりと、さまざまな形で出版されています。この絵本は2012年に刊行されました。同じ題材を扱ったほかの作品と読み比べてみても楽しいですね。その時は、大人の目線で選ぶばかりではなく、子どもの意見にも耳を傾けてみてください。

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 ジョン・シェリー/再話・絵 おびかゆうこ/訳
出版社 福音館書店