小学館の図鑑シリーズの一冊。表紙に書かれた「原寸大」のタイトルや「これが本物の大きさ」の文字に心が躍ります。恐竜好きならずとも怖いもの見たさで手に取ってしまいそうです。
長い間に環境の変化に合わせて、さまざまな特徴を持つグループに進化する様子が興味深いです。肉食と草食で大きさや形が違う歯、攻撃や守りに力を発揮するこぶやしっぽ…。それぞれの特徴が迫力たっぷりの原寸大で描かれ、今にも動き出しそうに感じられます。作者の丁寧かつ緻密な描写が恐竜の魅力を際立たせます。
ページを進めると、鳥が現れて驚きです。恐竜と似ている特徴がいくつもあり、その理由が恐竜の仲間なのかなとつながりが見えてきます。
親子で疑問を一緒に調べる楽しさを味わってください。見るから調べる楽しさへ。3歳から大人までそれぞれの楽しみ方ができると思います。図鑑を見比べると編集の違いのおもしろさにも出会えそうですね。
たくさんの神秘と奇跡の中で生きている私たちに、図鑑は深いテーマを投げかけていて心に響きます。
仁村由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | 富田 幸光/監修 加藤 愛一/絵 |
出版社 | 小学館 |