ろけっとこざる

 この絵本は、H・A・レイの「ひとまねこざる」シリーズの中の1冊です。
 子ザルのジョージは知りたがり屋で人まねが好きでした。玄関のベルが鳴ったので、出てみると郵便屋さんでした。「手紙だよ。黄色の帽子のおじさんが帰ってきたら読んでもらいなさい」。ジョージに手紙が来るなんてめったにないことです。ジョージは自分で手紙を読めないのが残念でたまりませんでした。
   でも、読めなくても書くことはできます。ジョージは、机の引き出しを引っ張って紙と万年筆を取り出しますが、万年筆にインクが入っていないので書けません。そこでジョージは、万年筆にインクを入れようとしましたが、インクはどんどん床に漏れて青いインクの池ができてしまいます。そして、ここから大騒動は限りなく広がっていくのです。 
  最後にジョージは動物園に送り返されそうになりますが、そこへ黄色い帽子のおじさんが手紙を持って現れました。ジョージは、博物館の館長の依頼で実験用の宇宙ロケットに乗ることになり、宇宙へ飛び立っていきます 
  奇想天外な物語の変化は読者を引きつけて離しません。                                            

金田昭三(児童文化研究家)

2017マザーズタッチ文庫へ進む

対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 H・A・レイ/文・絵 光吉 夏弥/訳
出版社 岩波書店