まもなく梅雨の季節。雨上がりにお気に入りの長靴を履いて散歩をするのが大好きな子どもは多いですよね。
表紙にはピカピカのコロンとした青い長靴。サイズは小さそうですが、主人公が履くと膝下ぐらいの長さになります。主人公はやっと長靴を履きこなせるようになった年齢のようです。
表紙を開いていよいよ散歩に出発です。主人公の顔は描かれず、膝下と長靴が絵の中心。小さい子が身の回りを観察する目線が感じられ、読者自身が散歩しているような気分になります。
散歩道にはたくさんの発見があります。石の回りのダンゴムシ、巣穴近くのアリの集団、アジサイの葉っぱのカタツムリ、葉陰にかくれるカエル。道端に咲く花や地面に落ちた小枝も気になります。
そして最大のお楽しみは水たまり。一度入ると気分が高まり、豪快にバシャバシャ!長靴が脱げてぽっちゃりした足が出てもバシャバシャは続きます。水びたしの長靴をもう一度履いて散歩は続きます。とても充実した楽しい時間が描かれています。
解説:田丸美穂(県子ども読書支援センター)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
地面すれすれの描写を見ていると、同じ風景でも大人と子供では視点が違うとあらためて感じさせられます。子どもが自然や生き物を発見したり観察することで得られる驚きと喜びを、ぜひ味わってみてください。子どもと一緒の散歩がもっと楽しくなりますよ。
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
---|---|
作者名等 | ひろのたかこ/作 |
出版社 | 福音館書店 |