じゃぐちをあけると

 この絵本に登場する蛇口は昔ながらのひねるタイプです。子どもにはちょっと珍しく、お父さんお母さんには懐かしい形でしょうか。
 表紙には、水や空を思わせる青を背景に、見上げるようにして蛇口が描かれています。パイプの先の大きな穴からは、水が勢いよく出てくるのが想像できます。
 表紙を開いて水が出るのをみてみましょう。勢いよく流れる水。触ると「チュッツ!」と音がして水しぶきが飛びます。コップにあてると水の流れが変わり、滑り台の形になります。スプーンやフライパンを使うと、また違った形になります。
 さまざまに形を変える水に、思わず自分でも実験してみたくなります。水への驚きや好奇心がさらに湧いてきます。
 丁寧に描かれた絵からは水の音や冷たさ、手をぬらした感覚が伝わってきます。水遊びがもっと楽しくなる科学絵本です。
 最後は蛇口を閉めて「はい おしまい」。水は大事な資源です。ここもしっかり読んであげてくださいね。


田丸美穂(県子ども読書支援センター)

2017マザーズタッチ文庫へ進む

対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 しんぐうすすむ/作
出版社 福音館書店