これは、「しおちゃん」、「こしょうちゃん」という双子の子猫のお話です。2匹は、一緒に大きくなりました。目を開けるのも、ミルクをなめるのも、尻尾を追いかけることができるようになるのも一緒でした。
ある日、2匹はどちらが高いところまで上れるか木登りを始めます。木の皮は、がさがさするし、葉っぱは、子猫の鼻をちくちく刺します。とうとう2匹とも、一番上の枝にたどり着きました。
ところが、大変なことになりました。向きを変えられないほど恐ろしく高い木の枝から、降りることができないのです。木の上を通り過ぎる鳥や風に、子猫は下ろしてくれるよう頼みますが、みんなそのまま行ってしまいます。
とうとう夜になりました。おなかをへらした子猫のところへ、怪しい緑の光が近づいてきます。いったいなんでしょう。
新しいことに挑戦し、失敗してもさらに挑戦を続けるお子さんの毎日は、冒険そのものです。好奇心のままに飛び出し、最後には温かいわが家に戻る子ネコたちの冒険を気に入ってもらえたらうれしいです。
遠藤美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | ルース・エインズワース/作 河本 祥子/訳・絵 |
出版社 | 福音館書店 |