みちくさしようよ!

 絵本の主人公は1年生と6年生の兄弟。弟の「ぼく」は久しぶりにお兄ちゃんと一緒に学校から帰ることになりました。道で見つけた猫を追うお兄ちゃんに付いていくと、畑で舞うモンシロチョウに出合いました。キャベツの葉の上には卵、幼虫、さなぎまで!
 お兄ちゃんは、クワの実が食べられることや、カタツムリを水の中に入れると殻の中から顔を出すこと、ツツジの花の密が甘いことも教えてくれました。アリが集まるあめ玉を囲むように輪ゴムを置くと、アリは輪ゴムを乗り越えることができないことも。たくさんの不思議を教えてくれるお兄ちゃんは頼もしく、弟の新鮮な驚きが伝わってきます。兄弟の微笑ましいやり取りから自然科学を学ぶことができます。
 テレビやインターネット、ゲームなど、子どもが夢中になるものはたくさんあります。また、学校からはまっすぐ帰るように指導されているでしょう。でも、兄弟の視線の先には面白いものがいっぱい。登下校の風景にも学ぶものがたくさんあると教えてくれます。
 

柴田麻衣子(横手市図書館課)

2017マザーズタッチ文庫へ進む

対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 はたこうしろう、奥山 英治/作
出版社 ほるぷ出版