たいせつなこと

 1949年に米国で出版され、読み継がれてきたお話です。
 「ひなぎくはしろい まんなかがきいろくながくて しろいはなびらには はちがちょこんとすわり なんだかくすぐったいかおりがして ひろいみどりのそうげんに よりそいささやきあっている でも ひなぎくにとってたいせつなのはしろくあること」
 私たちが日常の中で目にする雨やリンゴ、靴などの特徴を詩的な文章で伝え、何が大切かを問い掛けています。語り掛けるような言葉が印象的です。
 最後の文章は子どもたちへの呼び掛けです。「あなたにとってたいせつなのは あなたがあなたであること」
 子どもにとって何よりも大切なのは「自分」という存在。親として、この言葉にとても共感します。卒業、入学、進級の季節。新しいステージに向かう子どもたちに薦めたい一冊です。

千葉智晴(木育パパサークル「あきた木木遊び隊」)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 この絵本を小学1年生のクラスで読んだところ、内容にピンとこない子も多いようでした。「このメッセージを感じ取ってくれる日が来るだろう」と期待を込めたつもりですが、「大人のエゴだったかな」と反省もしました。成長の節目だけでなく、毎日のように読むことで作品のすばらしさがより深く理解できると感じます。

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 レナード・ワイスガード/絵 うちだ ややこ/訳
出版社 フレーベル館