ぐりとぐらの1・2・3

 青い帽子の「ぐり」と赤い帽子の「ぐら」が読み手を迎えてくれます。
 1から10までの数字を、数え歌の歌詞のようにリズミカルに表しています。「1 いのししが いっぽんみちで みつけた いちごひとつ」といった調子、韻を踏む表現が面白いですね。
 1は「いち」「ひ」「ひと」などの読み方があり、数えるものによって異なります。この絵本には「一つ」「2階」「3匹」「4人」「5粒」・・・とたくさんの数え方が登場します。子どもたちは、ほんわかと優しいタッチの絵と聞こえる音を比べ、さらにイメージを広げていくことでしょう。
 「猫は1匹、2匹、3匹と数えるんだね」と語り合うのも楽しそう。ページをめくる度に、登場する数が一つずつ増えていくことが面白いと感じる子もいるでしょう。
 生活の中の何気ない出来事と数の世界をつなげた、作者の豊かな感性が光ります。家族で自由に楽しんでください。

仁村 由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 食事の前に家族の人数分だけお皿を数えて運んだり、洗濯物を二つ折りや三つ折りに畳んで仕分けたりと、毎日の生活は「数」との出合いであふれています。手伝いを通じて生活力を育みながら、数への興味関心にもつなげていきたいですね。

2016マザーズタッチ文庫へ進む

対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 なかがわ りえこ/作 やまわき ゆりこ/絵
出版社 福音館書店