めのまどあけろ

 「めの まど あけろ おひさま まってるぞ」「みみの まど あけろ だれかが うたってる」。布団で眠る男の子が目を覚まし、1日を過ごす様子がリズミカルな言葉でつづられています。
 洋服を着る場面では「いちばん ぼたん とおりゃんせ」「にばん ぼたん とおりゃんせ」。顔を洗う時は「ほっぺたのはらにあめがふる」「おでこがおかにあめがふる」。身近な画面を軽妙に伝え、思わず口ずさみたくなる言葉がたくさん。「現代のわらべ歌」と呼ばれる作品です。
 幼稚園や保育所で何度か読んでいるうちに、丸暗記してしまった子もいるようですよ。何度読んでも楽しく、また読んでもらいたくなる絵本です。
 谷川さんの作品にはたくさんの言葉遊びが登場します。「ままです すきです すきです」「これは おひさま」「そしたら そしたら」(いずれも福音館書店)などもお薦めです。

 金田昭三(児童文化研究家)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 言葉は音と意味でつくられています。子どもたちはおしゃべりが上手になるにつれ、これに気付き、同じ音で始まる言葉を集めたり、しりとりを楽しんだりと言葉遊びを始めます。「歯」は一つの音、「犬」は二つの音、「カエル」は三つの音・・・というように、一つの言葉をつくる音の数に興味を持つ子もいるでしょう。「意思」「石」「医師」など同音異義語もあります。この絵本を通じて、親子でさまざまな言葉遊びを楽しんでください。

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 谷川 俊太郎/文 長 新太/絵
出版社 福音館書店