遺跡の概要・調査成果

調査成果 自然科学的調査

花粉分析

払田柵跡が存続していたころの植生環境の解明と、稲作の存否をはじめとする土地利用の実態を把握する糸口をつかむため、土壌を採取して分析を依頼している。

それによれば、外柵東部や外郭北部の花粉化石から見た払田柵跡周辺の古植生は、10世紀に火山灰が降下する前後の時期を通じて、スギ材を含む、ブナ属・コナラ亜属などの落葉広葉樹林であった。
外郭・外柵の低地には泥炭地となっていた箇所があり、イネ科、カヤツリグサ科や水湿地性のオモダカ属、ガマ属、ツリフネソウ属などが生育していた。
イネ科花粉には、イネ属花粉は認められず、周辺での稲作農耕の可能性は低いと推測されている。