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イベント

19.01.18

料理教室探訪~「サロン・ディグレック」児玉ゆきこ先生~

そろそろ年末という頃、四谷三丁目の駅からも程近いスタジオにお邪魔しました。引き戸になっている扉を開けると、手前に大きなテーブルとキッチンがあり、奥は小上がりになっていて茶室があります。

こちらのスペースは、学生時代のご友人の渡邊かおりさんが運営されているギャラリーだそうです。

サロン・ディグレックおもてなし料理教室

児玉ゆきこ先生は、ご実家が老舗の日本料理店というお生まれで、幼少の頃から料理をご両親から習っていらっしゃったそうです。

それに加え、フランス留学の際に自分にとって和食が必要であることを知ると共に、和食の基礎をご実家からだけでなく、料理教室で一から学ぶ大切さを感じられたとのこと。
ル・コルドンブルーにてフランス料理を学ばれながら、ご実家の日本料理店やさらにはお母様が始められた給食業務のお仕事、フランス大使公邸での厨房研修などで料理の腕を磨かれていきました。

現在は、フレンチと日本料理を中心としたおもてなし料理教室を開催されています。

今回のレッスンでは児玉先生がお料理を、おもてなしマナーや作法にも詳しい渡邊さんが盛り付けのコツやコーディネートについて教えてくださるとのこと。たのしみです。

 

▼児玉ゆきこ先生の「サロン・ディグレックおもてなし料理教室」はこちら

https://yukikostyle.amebaownd.com

おせちとお雑煮のおもてなし

この日の内容は「お正月おもてなしレッスン」。

おせち料理とお雑煮、合わせて9品をつくるという盛りだくさんなレッスンです。

〈向付〉

白身魚の昆布〆

〈八寸〉

比内地鶏の松風

紅白膾

栗金団

海老黄身焼き

唐墨蕪

黒豆の松葉刺し

紅白蒲鉾の飾り切り(結び)

〈煮物椀〉

日の出雑煮

ざっとメニューの説明のあとは、まずは少し時間のかかる栗きんとんから作り始めます。さつまいもを一度茹でこぼしてから、クチナシを加えてさらに煮ます。

 

続いては日の出雑煮。

「日の出雑煮」とは、大根と金時人参を日の丸のように切って飾ることからついた名前。つゆは江戸雑煮のかつおと京都の昆布問屋さんで求められた昆布のすまし汁タイプです。

児玉先生の切り方見本のあと、みなさんで同じように切っていきます。

 

続いて比内地鶏の登場です。

比内地鶏で松風をつくります。

比内地鶏のもも肉をフードプロセッサーにかけやすいように一口大に切ったら、ミンチにします。調味料とよく混ぜ、型に入れたら、けしの実を振ってオーブンで焼いていきます。

弾力が特徴の比内地鶏ですが、ミンチにするとどうなるのでしょうか?

取材チームもミンチにしたものは初めてなので、できあがりがたのしみです。

 

お次は、才巻海老の黄身焼き。

才巻海老とは活車海老のこと。今回の食材は先生がレッスンのために築地や豊洲で仕入れてきたそうです。まだ生きているかもしれないので気をつけてくださいね、と、先生。

戸惑いながらも、みなさん一生懸命串打ちされていました。こちらは、刷毛で黄身を塗ったら胡麻を振り、オーブンへ。

 

続いてお造りです。

白身魚の昆布〆。立派な平目でした。大きな昆布は築地で買ってこられたものだそうです。

サクを切り分けたら、昆布で締めた貝割れと、花穂などのあしらいとともに、それぞれ盛り付けます。

 

まだまだあります!

かまぼこの飾り切り、唐墨蕪、黒豆、紅白なます・・・先生のお手本のあと、切ったり和えたり。

 

比内地鶏の松風も焼き上がりました。

粗熱が取れたら切り分けます。

 

児玉先生はここで日の出雑煮の仕上げにとりかかり、渡邊さんの盛り付けとおもてなしのレクチャーへ。

和のおもてなしコーディネート

今回はお重に詰めるのではなく、大きなトレイのような木の平皿に盛り付ける場合の盛り付け方を教えてくださいます。

山から流れるように、海のものへ。

全体の流れを意識しながら、先生のアドバイスを受けつつみなさん盛り付けていらっしゃいました。

左奥が比内地鶏の松風。右奥にある松風は、今回あらかじめ先生が他の銘柄鶏でも同じように作って、食べ比べできるようにご用意くださいました。

銘々の盆には、祝箸とお造り、小さな脚付きグラスに盛った紅白なますが。

お造りはおもてなしの場合お醤油の小皿などは添えないというのがマナーだそうです。お造りの器に煎り酒をひとたらししてあります。

試食の時間です

さて、気になる比内地鶏の松風はどうでしょうか?

銘柄鶏で作った松風と比べてみると、見た目からまず全く違いました。

身の色が比内地鶏は赤みが強いんです。

いただくと、弾力、味の濃さが全く違い、比内地鶏の方は、レバーを混ぜたような深い味わいという声が上がっていました。

どちらもおいしいのですが、比内地鶏の方を食べてしまうと、銘柄鶏で作ったものが物足りなく感じてしまうほど。

 

比内地鶏をミンチにしても、弾力や旨味は損なわれず、むしろ適度な弾力が魅力的ということがわかりました。

最後に、日の出雑煮をいただきました。

だしの味わいが染み入るおいしいお雑煮で、年末なのにもうお正月が来てしまったような気分になりました。

 

メインの食材だけでなく、調味料ひとつとっても、選び抜かれたものをお使いの児玉先生。

赤字にならないのか心配になって思わず児玉先生に伺ってしまいましたが、

「生徒さんにには、レッスンでいいものの味を知ってから、ご自身で使うものを選んでいただきたいので、食材はこだわって選んでしまうんです。」

とおっしゃっていたのが印象的でした。

 

本格的なおもてなしおせちが学べるレッスン、とても勉強になりました。

ありがとうございました。

 

児玉先生のレシピはこちら

https://common3.pref.akita.lg.jp/hinaijidori/ouchigohan/archives/1649