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19.01.24

料理教室探訪~「ミセス・カン ホームキッチン」姜朋子先生~

大きな窓からお庭が見渡せるダイニングに生徒の皆さんが次々にやってきます。

テーブルにはなつめや朝鮮人参が用意されていて、あたたかい花梨のお茶が注がれます。

ミセス・カン ホームキッチン

姜朋子先生は在日二世として日本に生まれ育ちましたが、韓国人であるご主人と結婚されたことをきっかけに、韓国に15年間住み、お料理上手のお義母さまから韓国料理を教わったそうです。

日本に戻られて韓国料理教室を始められ15年ほど。韓国の家庭料理から宮廷料理まで幅広いレッスンが人気で、長く通われる生徒さんも多い教室です。

 

▼姜先生の教室「ミセス・カン ホームキッチン」

https://mrskang.jimdo.com/

 

花梨のお茶をいただきながら、レッスンスタートです

この日のテーマは、~冬に備える滋養強壮料理~。

冬の不調が一気に改善されるような、薬効があるスープを中心とした5品のレッスンです。

 

・比内地鶏のエゴマスープ「オリトゥルゲタン」

・どんぐりの豆腐「トットリムックムッチム」

・カボチャのお粥「ホバックジュック」

・海鮮キムチ「ソックパジ」

・干し鱈の辛味和え「プゴムッチム」

教室で使うものはなるべく味の良いものを使いたいという理由でたびたび現地でも調達してこられるという姜先生。

初めて見る食材もたくさん登場しました。

 

まずは時間のかかるスープから。

当帰、甘草、クコの実、黄耆など一晩水に浸けてから煮出したエキスを使います。

比内地鶏はだしがすごいのよ。と、姜先生。

本来はアヒルを使うスープ。日本で買えるアヒルで作るとどうしても臭い。どうしようかと鴨を取り寄せたりして作ってみたこともあるそうなのですが、

比内地鶏はほんとうに味の濃いスープがとれるから、値段は高いけど使う量が半分くらいで済んじゃうのよ、とのこと。

今回は比内地鶏のモモ肉とムネ肉を使います。

普段は鶏でスープをとるときは、骨つきのものを使うようにおっしゃっているそうですが、比内地鶏は骨がなくてもおいしいスープがとれるんですって。

続いてどんぐりの粉で作る豆腐。

どんぐりの粉にみなさん興味津々。日本人はどんぐりを踏みつけて歩きますが、韓国人はそれを見てびっくりするんだそうです。

水を加え加熱して練るのですが、30分練り続けるので結構重労働!こちらはアシスタントの方がやってくださいます。

仕上げにごま油を入れるのがポイントですが、忘れがちなので、生徒さんの一人がごま油指摘係が任命されました。

 

 

海鮮キムチは刺身用のイカや生牡蠣を入れます。

薬念(ヤンニョム=キムチの合わせ調味料)ももちろん手作りです。

干し鱈は韓国料理でとてもよく使う食材の一つで、パッと30種類くらいの料理が浮かぶそうです。

今回は大根と唐辛子、コチュジャンなどの調味料と合わせます。

 

かぼちゃのお粥は、韓国のおんなこどものお昼ごはん。

昔は丸くて大きな韓国かぼちゃがどこででもなっていたけれど、今は日本のかぼちゃの方が多く売られているんですって。

先ほどからずっと煮ていたスープ。

ここで比内地鶏はいったん取り出し、食べやすく裂きます。

 

朝鮮人参やナツメ、栗、生姜などを鍋に加えて、比内地鶏も戻し入れます。

ここからまたしばらく煮込み、エゴマの粉やもち米を加えてさらに煮込んで仕上げます。

火にかけながら練ったどんぐり粉を型に入れていきます。

こちらは冷やして固めてサラダ仕立てにします。

他の料理も仕上げていきましょう。

盛りつけて、いただきます

海鮮キムチと干し鱈の辛味和え

どんぐりの豆腐

試食の準備が整いました。カボチャのお粥、雑穀ごはんもよそって、いただきます!

比内地鶏のエゴマスープ「オリトゥルゲタン」を早速試食。

少しとろみのある優しい味わいで、比内地鶏の出汁と薬膳エキスの香り、エゴマの風味がじんわりと身体に染み込み

内側からあたたかくなっていくのがわかります。

 

材料は、いいものを使うことが大事。と常に教えていらっしゃる姜先生。

レッスンを取材させていただき、

素材のもつ力と薬効を生かし、時間をかけた丁寧な作業からうまれる昔ながらの韓国料理をほんの少し知ることができたような気がします。

 

毎年冬の初めごろには韓国へ、生徒さんとともにご主人のご実家がある海辺の方へ現地の方とともにキムチを漬けるツアーもされているそうです。

韓国の伝統の食文化が学べるツアーに私も参加してみたくなりました。

 

姜先生、みなさんありがとうございました。

 

 

▼姜朋子先生のレシピはこちら

比内地鶏のエゴマ鍋