三種町下岩川地域は12の集落で構成されています。昨今、人口減少が進むなかで、地域の農地や山林、ため池などの地域資源や施設の管理などを地域の垣根を越えて共同管理の体制を作ろうと、令和5(2023)年に住民主体の実行委員会を立ち上げ検討を重ねていき、令和6(2024)年2月に、農村型地域運営組織(農村RMO)を設立しました。その母体となる組織が「下岩川地域づくり協議会」です。自治会や集落ごとの農業団体など約30の団体がメンバーとして加わりました。
 協議会は、役員と事務局を置き、「農業部会」「林業部会」「くらし部会」「起業・移住部会」の4つの部会で構成されています。

 令和2(2022)年から下岩川地域で、秋田県立大学と持続可能な地域社会総合研究所が共同研究に着手したのがきっかけになり、地区全域の農地の所有者や農産物を調べ、効率的なデジタルマップの作成や、担い手のいなくなった農地を地域で共同管理したり、草刈りや除雪での共助、地元産品を活用した加工品開発を手掛けていく考えです。

 また、女性だけで構成された「くらし部会」では、長年、地域活動を行ってきた壮年層がもつ経験や知恵を若い世代につなげるために、これまで接点がなかった両者を「伝統料理」というキーワードでつなぐ活動を始め、令和5(2023)年から「つなぐ料理教室」を開催しています。
 さらには、地域内に新たな産業を創出しようと、赤飯などに用いられる「赤ささげ」の栽培に取り組み、令和6(2024)年8月には初の出荷を行いました。

 先人たちが守り続けたきた農地や山林、水を守り、次世代に繋げていこうとがんばる“あきらめない大人たち”が、大事な一歩を踏み出した「下岩川地域づくり協議会」は、地域のコミュニティを大切にしながら活動を続けています。
                                                

                                                                                                                                           

令和6(2024)年12月掲載

【関連リンク】産地直送ブログ
三種町下岩川地域で「つなぐ料理教室」が開催されました♪ ~次世代に郷土料理をつないでいこう~(2024年12月掲載)
三種町下岩川地域で「イワガのごっつぉ祭り」が開催されました!(2024年3月掲載)
三種町下岩川地域で秋田県立大学と(一社)持続可能な地域社会総合研究所の共同研究の報告会&「農村RMO設立総会」が開催されました!(2024年2月掲載)
三種町下岩川地域が“持続可能な地域づくり”のモデル地域を目指します!(2022年6月掲載)

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