くだものさん

 

 
  
 
 

 暑さの厳しい夏が過ぎ、食欲の秋です。お店にはつやつや輝くさまざまな果物が並んでいます。
 今回の作品は、折り畳まれたページをペラリと開くと「ぽろりん」と果物が顔を出す、仕掛け絵本です。「くだものさん くだものさん だあれ」の問い掛けに続き、りんご、みかん、ぶどうといった果物たちが登場します。読み手がちょっと絵本を傾けると自然とページが開くので、まだ手をうまく使えない赤ちゃんにも「めくれた」という達成感があると思います。
 果物を隠している葉っぱもよく見てください。表面の様子や、色、形などそれぞれ特徴があります。葉っぱだけで何の果物が実るか分かるようになったらすてきですね。あ、リスさんが登っていた木の葉っぱって、きっとあの木かも。みなさんは分かりますか?
 複雑な仕掛け絵本はとにかく壊れやすい。その点、シンプルなこのタイプは頑丈で長持ちしますよ。同じシリーズに「やさいさん」があり、ページを下から上へ開いて「すっぽん」と野菜を「収穫」する作品です。こちらは、ページをしっかりつかめる少し大きなお子さんに人気です。

 

遠藤美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)

(令和7年11月8日秋田魁新報掲載)

2025あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 tupera tupera・作
出版社 Gakken