どんぐり どんぐり

 

 
  
 
 

 今年は、残念ながら東北地方のほとんどの県でドングリの実り予測が凶作のようですが、この絵本の中は、豊かな実りの季節を迎えています。今回は、温かな秋色をした表紙の一冊をご紹介します。
 リスの子どもたちのために、母さんリスがドングリを拾いに出かけます。子リスたちは、窓からちょこんと顔をのぞかせてお見送り。母さんリスは順調に「みーつけた ひとーつ」、「みーつけた ふたーつ」とドングリを拾っていきます。
 初めての数絵本としてもおすすめの作品です。数をテーマにした絵本は他にもさまざまありますが、初めに一つだけ描かれていたものが、だんだん増えていくという構成が主流でしょうか。絵に「1、2、3…」と数字が添えられていることも多いですね。
 この絵本はそこから1歩進んで、「ひとーつ、ふたーつ…」と数を数えて進行していくところが特徴です。起承転結のしっかりしたストーリー性も持っていますので、短いお話としても成立しています。
 ドングリを見つけるうれしさが伝わってくるような場面に、子どもたちも自然に声を合わせて数えてくれることでしょう。リスたちがドングリを食べるかわいらしい姿にもご注目。

 

柴田 麻衣子(横手市職員・司書)

(令和7年9月27日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 降矢 なな・作
出版社 福音館書店