さかさことばで うんどうかい

 

 
  
 
 

 この時期は、運動会に向けて練習を頑張っている子どもが多いのではないでしょうか。今回紹介するのは動物たちが主役の運動会の絵本です。
 ライオン、ゾウ、サル、キリンなど選手たちが入場。騎馬戦、跳び箱、重量挙げと、プログラムに沿って物語は進みますが、この絵本は少し変わっています。上から読んでも下から読んでも同じになる回文(さかさことば)ばかりで書かれていて、言葉遊びやリズムが面白いのです。
 パン食い競争でゾウやサルがパンを独り占めしようとしたり、新体操ではウマが華麗に舞ったり。動物たちは各競技で元気な姿を見せてくれます。
 「にわとりと ことりと わに」(逆から読んでみて!)は跳び箱に挑戦。どのように跳ぶのでしょう。そして最終競技のリレーでは「いがいや いがい」な動物が表彰台の頂点へ―。
 言葉だけでなく、西村さんの独特なタッチの絵も面白さを引き立たせます。
 声に出して、ゆっくりと字をなぞりながら読んでみるのもお薦め。上からも下からも読んでみたり、絵を見て動物の動きを想像したりと、何度も繰り返し楽しめる絵本です。

 

長谷川恵(認定こども園四ツ小屋)

(令和7年9月20日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 西村 敏雄・作
出版社 福音館書店