ことばサーカス

 

 
  
 
 

 寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。かしのき広場に現れたのは、「ことばサーカス」。文字が書かれた風船を使った、不思議なショーを世界中に届けています。「サーカス」と聞くだけでも気分が高まります。言葉や平仮名を覚え始めの子どもたちと一緒に楽しめそうですね。
 風船使いのジョニーとマリー、ピエロのゾビゾビが登場し、次々に言葉を繰り出します。「は」と「な」の風船をくっつけて「はな」の言葉を作ると、ゾビゾビの鼻がぐぐーんと伸びます。さらに「び」の風船も加えて「はなび」の言葉が完成すると、ステージ上に華やかな花火が打ち上がりました。
 どんどん続くショーですが、さあ、大変!土砂降りの雨で舞台は水浸しに。ショーは無事に終わるのでしょうか。
 予想外の展開にドキドキワクワク。最後には、子どもたちが大好きな何かが飛び出してくるのですが、それは読んでからのお楽しみにしておきましょう。
 作者「二歩」は、西村祐貴さんと星功基さんによる「文字とことばのデザインユニット」です。2012年に結成し、ことば遊びの面白さを伝えるワークショップを開催しています。本作は二歩にとって初めての絵本で、日本語の魅力が詰まった1冊。読み聞かせ絵本のリストに、ぜひ加えてみてはいかがでしょうか。

 

加藤香澄(秋田市河辺保育所)

(令和7年9月6日秋田魁新報掲載)

2025あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 二歩・作
出版社 アリス館