夏の終わり、日曜日の朝早く。元気な男の子のたんたは、起きてすぐ外へ出て、郵便受けに新聞を取りに行きます。ところが中をのぞいても新聞がありません。
代わりに見つけたのは、中身が分からない1本の使いかけのチューブ。すぐに家へ戻り、大切にしまっていた虫眼鏡を出してきてそれを調べ始めます。気分はすっかり探偵です。
チューブには半分消えかけた「にんじんいろ」の文字で何やら書かれています。読み取れた文字は、「に・じ・は・がき」。たんたは、うさぎのギックの「にんじんはみがき」だと推理します。でも、どうして郵便受けの中にあったのでしょう。そして新聞はどこへ?
チューブの持ち主にたどり着くと、別の使いかけのチューブがまた見つかり、仲間もどんどん巻き込まれていきます。たんたは、正体の分かった歯磨き粉で歯を磨いたり、かゆみ止めだと分かったチューブの薬を虫刺されに塗ったり。勝手に使ってしまうところがなんともほほ笑ましいですね。
小さな探偵さんが、仲良しの動物たちと繰り広げるかわいらしいミステリー。少し背伸びをして、こんな冒険物語はいかがですか。
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | 中川 李枝子・作/山脇 百合子・絵 |
出版社 | Gakken |