おかしい話や不思議な話など、日本の昔話を13話集めた本です。今回は、その中から怖いお話を二つ紹介します。
一つ目は「食わず女房」。けちんぼうな男が、飯を食わずによく働く女を女房にしました。しかし、家のコメやみそは、なぜかごっそり減っています。不思議に思った男が隠れて見張ると、女は山ほどのにぎり飯とみそ汁を作り、髪をふりほどき、頭のてっぺんの大きな口で食べていました。さて、女の正体は―。
次は「山伏ときつね」です。村の道を行く山伏が昼寝中のきつねを見つけ、耳元でホラ貝をブォ-と吹き鳴らします。きつねはたまげて跳び上がり、恨めしそうに去っていきました。
間もなくあたりは真っ暗に。山伏が宿を求めて近くの家を訪ねるとばあさんが出てきて、娘が死んでしまったと告げます。お経を頼まれた山伏ですが、気味が悪くて震えてしまいます。すると、死んだはずの娘が「山伏、そこにいたかあ」と近寄って来るではありませんか。
さあ、お話の続きが気になりませんか?どのお話もちょうどいい長さで、リズムのよい文章はつい声に出して読みたくなります。日本の昔話は本当に面白いです。たくさんの人が楽しんでくださいますように。
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | 竹中 淑子、根岸 貴子・文/堀川 理万子・絵 |
出版社 | 徳間書店 |