しゅん

 

 
  
 
 

 もう少しで「お盆」がやってきますね。今回は、ご先祖さまを供養する行事「盆おどり」にまつわる1冊を紹介します。
 主人公のしゅんが住む村では、夏が近づくと盆おどりでたたく太鼓の練習がはじまります。「ドンドンドン カラカッタ ドドンガドン ドンカラカッタ ドンカラカッタ ドドンガドン」…。みんながきれいにそろった太鼓の音を響かせる中、しゅんだけ遅れて合いません。太鼓の先生ごだかさんに、「しゅん、ちょっとやすんでろ!」と言われてしまいます。
 ある夜の帰り道。太鼓がなかなか上達しないしゅんが、口まねで太鼓の練習をして歩いていると、後ろからきつねさんがやってきて、太鼓の打ち方を教えてくれました。次の夜はうさぎさん。また次の夜は、くまのおじさんがたぬきくんのおなかをたたいて練習する方法を教えてくれました。たぬきくんと2人で練習していた日にはカラスのおばさんもやって来て、たぬきくんの肩をきたたながら見本を見せてくれました。
 毎晩、動物たちと練習したおかげで、太鼓が上達してきたしゅん。ついに、盆おどり本番の日がやってきます。果たして、やぐらの上で太鼓を打つことができるのでしょうか。

 

髙杉尚子(鹿角市立花輪図書館)

(令和7年8月9日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 高部 晴市・作
出版社 BL出版