いえができるよ

 

 
  
 
 
 この作者の絵は、くっきりとした黒い線で縁取った、明るく鮮やかな色使いが特徴的です。赤ちゃん向けの「バートンののりものえほん」シリーズや「うちゅうひこうしに なりたいな」、「ほね、ほね、きょうりゅうのほね」などが人気作品で、ご存じの方も多いのではないでしょうか。今回も、この作者らしい絵が魅力の1冊です。
 始まりは何もない原っぱからです。重機で穴を掘り、板を埋め込み、セメントを流します。住宅の基礎を造っているのです。この絵本は、1軒の家が出来上がるまでの様子を、順序立てて教えてくれます。
 文章はそれぞれの見開きページに1行しかありません。「あなを ほる。」「いたを コンコン うめこむ。」など、最低限の説明のみです。1文で十分に理解できるのは、言葉が的確なだけではなく、絵の力が大きいと思います。
 家の造り方からは、日本と海外との違いが感じられるかもしれません。加えて、秋田の住宅には厳しい冬に備えた特徴もあります。それでも、床、壁、屋根が作られ、水道の配管や電気工事などを行うのは同じです。基本的な建築工事の流れを楽しく学ぶことができます。

 

柴田麻衣子(横手市職員・司書)

(令和7年7月5日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 バイロン・バートン・作/なかがわ ちひろ・訳
出版社 好学社