たべたのだあれ

 さまざまな食べ物が登場し、それを食べた動物を「当てっこ」しながら読み進める楽しい絵本です。
 初めの問題は「さくらんぼたべたのだあれ」。2頭のゾウが描かれています。1頭のゾウのしっぽの先が、小さなサクランボになっています。
 次のページには「いちごたべたのだあれ」という問いかけとともに3頭のライオンが登場します。よく見ると、鼻がイチゴになったライオンが1頭いますよ。
 サンドイッチを食べたヘビがサンドイッチ柄のしま模様になっていたり、牛乳を飲んだカラスの体の下半分が白くなっていたり。ではアイスクリームを食べた人間は、どんな風に描かれていると思いますか。食べた物の隠し方がとてもユーモラスです。
 この絵本には、もう一つ仕掛けが隠されています。ゾウが2頭、ライオンが3頭、牛が4頭というように、だんだん動物の数が増えていくのです。食べた物を見つけたり、数を数えたり、読み聞かせるときの声の掛け方次第で、さまざまな親しみ方ができます。
  
  解説:柴田麻衣子(横手市図書館課)
 
▶お父さん・お母さんへの内緒話
 五味太郎さんの人気作は、ほかに「きんぎょがにげた」(福音館書店)があります。「たべたのだあれ」は探す対象が場面ごとに異なりますが、「きんぎょがにげた」は、どのページでも同じ金魚を探すシンプルな内容。より小さな子どもたちにお勧めです。年齢や発達に応じて、ステップアップしながら絵本を楽しんでみてください。

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 五味太郎/作
出版社 文化出版局