なつのいけ

 夏休み、皆さんはどのように過ごしていますか?家族で山や海に出掛けて自然を満喫した人もいるでしょうか?
 どこにも出掛けられなくても、秋田にいれば、身近に自然をいっぱい感じることができます。例えば、家の中まで聞こえてくるセミの声。青い空にもくもく浮かぶ白い入道雲。街を歩けば、木々や草の鮮やかな緑が目に入ってきます。ちょっと足を延ばせば池や川があり、水の音を聞いたり、そこに住む生き物たちを観察したりすることもできます。自然豊かな秋田で送る夏休みは、子どもたちにとってかけがえのないものです。
 この絵本に登場する男の子と女の子も自然の中で遊んでいます。こんがり日に焼け、綱とバケツを持ち、緑の中を駆け抜け、池に向かいます。さまざまな生き物がいる池の中でも、男の子はおかまいなしにジャブジャブと入っていきます。男の子のお目当てはー。
 晴れ渡った空の青、草木や田んぼを思わせる緑、澄み切った池の水色。鮮やかな色彩の絵が秋田の夏の風景と重なり、夏の暑さや水の冷たさ、音や匂いまで伝わってくるよう。夏真っ盛りの自然を感じられる一冊です。
 
 田丸美穂(県子ども読書支援センター)

▶ お父さん・お母さんへの内緒話
 最後のページにメダカ、アメリカザリガニ、ナマズなど絵本に出てくる生き物の名前が書かれています。図鑑を片手に生息場所を調べ、探してみるのも面白いですね。自然や生き物ともっともっと仲良くなれますよ。

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 塩野 米松/文 村上 康成/絵
出版社 ひかりのくに