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18.02.13

歴史を知り、中国茶を味わう ~サロン ド シャンティ 香茶苑・磯部優子~

訪問取材の第二弾は、東京都世田谷で中国茶紅茶教室”サロン ド シャンティ 香茶苑”を主宰している、「磯部優子 先生」です!

比内地鶏の肉汁がたっぷり入った水餃子と、それに合う中国茶をご紹介いただきました。

▼磯部先生の中国茶教室はコチラ
サロンドシャンティ香茶苑(https://www.sdshanti.jp/

※本日のレシピは、本記事の一番下に掲載してあります。

歴史からお茶を学ぶ

「中国茶」とは中国や台湾などで生産されるお茶のことで、発酵度合いによって大きく6つにわけられます。

その中でも今回のレッスンでいただいたお茶は、「半発酵茶(青茶)」と呼ばれるもの。

半発酵茶と聞くとなじみがないかもしれませんが、烏龍茶といえば納得される方も多いと思います。

茶杯は手のひらに乗るほどの小さいものです。

このようにお茶と向き合うとは日常ではあまりなく、どこかシャキッと背筋が伸びるような気がしますね。

中国茶は紀元前からあった

中国茶の歴史は古く、紀元前から飲まれていた記録も残っています。

すでに三国時代(西暦184~280年)にはお酒の代わりにお茶をすすめており、唐の時代(618~907年)には中国全土に広がっていたそうです。

『急速に普及した背景には、仏教が大きく関わっている』とのお話もしていました。

生徒さんもメモを取りながら真剣に先生の声に耳を傾けています。

淹れ方や味わい方だけでなくその歴史までも学べることが、磯部先生のレッスンの大きな特徴です。

ちなみに、お茶の世界では「聴雪(ちょうせつ)」という言葉があるそうです。

取材した日は関東各地で大雪が降ったあとだったのですが、磯部先生曰く

『音がしない雪にも心を傾けるのが大切』だと。

雪化粧に思いを寄せて飲むお茶もたまにはいいものかもしれませんね。

2種類の中国茶を味わう

今回のレッスンでは、「水金亀(すいきんき)」と「大紅袍(だいこうほう)」の2種類を頂きました。

中国茶は一煎目、二煎目、三煎目・・・と、杯を重ねるごとに味や香りが変わっていきます。

一煎目は香りだけで飲まずに捨てることが多いですが、今回の2種類はどちらも一煎目から飲むことができるため、味そして香りの変化を楽しむことができます。

まず、水金亀からいただきました。

口に含んだ感想としては「あっさりしていて飲みやすい」。

それを踏まえて二煎目をいただいてみると、たしかに一煎目よりも味がくっきりしてくるのを感じました。

次に大紅袍です。

大紅袍はその昔皇帝専用のお茶として扱われていたそうで、現在でも中国茶のなかでは高級品の部類に入ります。

真っ赤な外装からも、その高級感が伝わってきますね。

 

あらためて背筋を伸ばし、その一杯をゆっくりと味わってみることに。

さきほどの水金亀と比べるとより力強い味で、野生的な香りが印象的な中国茶でした。

ちなみに、写真の中に金魚が登場していますが、金魚は中国国内のお正月に欠かせないものの一つです。

 

「金魚(Jīnyú)」を中国語で発音すると、「魚」と「余る」が同じ音となります。

このことから、「金魚」は「お金が余る」という発音と同じとなり、縁起の良いものとして扱われているそうです。

 

2つのお茶を学んだところで、お待ちかね比内地鶏の登場です!

【点心】比内地鶏を使った水餃子 × 中国茶「肉桂」

今回のレッスンでは「比内地鶏で作った水餃子」と、旬の一品として「金柑と銀杏のはちみつ煮」を作っていただきました。

中国のお正月では、水餃子を食べることが風習になっているそうです。

なぜ水餃子なのかと聞いてみたところ・・・、

写真のような飾り物を見せてくれました。

これは中国のお正月で飾られるもので、真ん中にある金色の飾り(縁起物)が水餃子に似ていることから、お正月に食べるようになったとのお話をしてくれました。

 

お正月の雰囲気を思い出しながら、水餃子をいただいてみましょう。

水餃子の餡に比内地鶏が使われており、餃子を割ってでてくる肉汁は厚めの皮にも負けない濃厚な味わいです。

スープにも比内地鶏の味が染み出ており、お正月にふさわしい贅沢な一品だと感じました。

水餃子とともに、金柑と銀杏のはちみつ煮をいただきました。

旬の食材である金柑の種には少し苦味がありますが、『それすらも味わいの一つ』と磯部先生。

水とはちみつだけで煮詰めたとは思えないほど、果実の甘みが楽しめます。

食後に「中国茶・肉桂(にっけい)」をいただきました。

茶杯の手前にあるのは、肉桂の茶葉と砂糖菓子です。

後味が非常にすっきりとしており、レッスンでいただいた2種類とはまた違った味わいでした。

 

比内地鶏のうまみと肉桂のすっきりとした風味、磯部先生ならではのおもてなしを感じたレッスンでした。

磯部先生ありがとうございました!

本日のレシピ

比内地鶏で作る紅白の水餃子