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19.12.16

【第3回】比内地鶏応援隊 現地視察 ~2日目~

2日目も初めての出会いがたくさん

産地訪問2日目です!本日も朝から出発し、さまざまな秋田の文化に触れていきます!

まずは「大館とんぶり」の圃場(ほじょう)見学へ。

大館とんぶり生産組合会長の羽賀一雄さん・あきた北農業協同組合の菅原力さんに解説していただきました。

羽賀さん

菅原さん

 

とんぶりとは、ホウキギの果実を加工したもの。畑のキャビアと呼ばれ、プチプチした食感が県民に親しまれています。

 

比内地鶏が有名な比内地域のもう一つの名産品で、栄養価も高く、メディアを通して注目され始めています。

ホウキを作る材料として使われていたホウキギの実を、なんとか活用できないか?と、試行錯誤を繰り返し生まれたとんぶり。

昔は手作業での収穫でしたが、現在は刈り取り機を使用し、作業がかなりスムーズになったそうです。

収穫風景を間近で見学。

応援隊のみなさんも刈り取り機に乗り、実際にとんぶりが刈り取られる工程にテンションが上がっていました!

その後は実際に朝加工したばかりの生とんぶりを試食しました。

真空パックのものとは全く違う食感・歯触りが大好評!その後の買い物タイムで実際にとんぶりを買った方もいて、「家で色々工夫してみたい!」と、とんぶりの可能性を感じられたようです。

 

とんぶりの次は、りんご

続いてはりんごの収穫体験へ。

この後、きりたんぽ作りも教えていただく石垣一子さんがご主人とともに運営するりんご農園です。

農産物直売所「陽気な母さんの店」を立ち上げ、年商2億円の事業へと発展させた、地域に貢献し続ける、まさに“陽気な母さん”!

 

「シナノゴールド」と「4-23(よんのにじゅうさん)」というりんごを収穫させていただきます。

聞き馴染みのない「4-23」とは、中央種の部分にどうしても空洞が出来てしまうなどの理由から名前がつかず、固体番号のまま取引きされたりんご。

深い赤色のかわいらしい見た目や、酸味がなく甘みの強い味にファンができ、今もその名前のまま親しまれている品種です。

その味わいは応援隊の皆さんからも大好評でした。

 

それぞれ5個ずつ収穫させていただけました。なんと太っ腹!

旬のりんごをもぎたてでいただくという、とても贅沢な経験をさせていただきました。

 

本日のメインイベント!

お次はお待ちかねの、きりたんぽ作り体験!

石垣さんが所有する民泊にて、きりたんぽ鍋作りを体験させていただきます。

いつもは料理教室の先生として教える立場の応援隊の皆さんですが、今回は生徒!

技術を持ち帰り、活かすべく真剣に石垣さんの説明を記録しています。

 

まずはあきたこまちを使って「たんぽ」作り。

炊き上がったご飯を潰す“半殺し”という作業。

全て潰してしまうと餅になってしまい、出汁が染み込みにくくなるため、潰す目安として半殺しという言葉が使われています。

だんだん粘り気が強くなり、潰すのにも一苦労!2〜3人がかりで仕上げます。

半殺しできたら、ご飯を杉の串につけて成形していきます。

さすが料理教室の先生、コツをつかむのが早く、どんどん、たんぽが出来ていきます!

出来上がったたんぽを炭火で焼いていきます。

火が全体に通るよう、たまに、たんぽを回転させながら、こんがりと焼き色をつけます。

 

焼けるのを待つ間、石垣さんが秋田には「たんぽ焼きの手前(てめ)知らず」という言葉があることを教えてくれました。

たんぽは火に近い方から焼けていくため、向かい側のたんぽの焼き加減は見えても、自分に目の前にあるたんぽの焼き加減はわかりません。

それに則り、人に対しては「そちらのたんぽ、焦げてますよ」と指摘しやすいけれど、相手に「あなたのたんぽはもっと焦げてますよ」と言われてしまうかもしれないから、まずは自分のことを顧みよう、という意味だそうです。

子供たちに、きりたんぽ作りのお手伝いをしてもらいながらこの言葉を教え、受け継いでいるそうです。

まさか、きりたんぽ関連のことわざがあるとは…。秋田の人のきりたんぽに対しての思いの深さが感じられます。

とても大事なことなので、これからも受け継がれてほしい言葉ですね。

 

きりたんぽ鍋の決まりごと?

本場大館きりたんぽ鍋は具材の数・種類が定められています。

きりたんぽ、比内地鶏、ごぼう、ぎんだけ(今回は舞茸)、ねぎ、せりの6種類。しらたきや里芋を入れることもあります。

 

具材の仕込みが済んだら、比内地鶏のガラでとった出汁に入れていきます。

比内地鶏→ごぼう・舞茸→きりたんぽ→ねぎ→せりの順で入れます。

きりたんぽとは、鍋に入れる際に手でちぎって入れるため「きりたんぽ」といい、切る前の状態は「たんぽ」と言うのだそうです。

具材は全て火が通りやすいように薄く切っているので、ぐつぐつしたらすぐ食べられるのも、きりたんぽ鍋の魅力。出汁の良い香りが食欲をそそります!

出来立てのきりたんぽ鍋を早速いただきます!

比内地鶏と野菜の旨味が濃厚にしみ出た出汁と、その出汁を吸い込んだきりたんぽが香ばしく絶品!

比内地鶏はプリプリで歯ごたえが良く、じゅわっと感じる旨味がたまりません!

 

鍋と一緒に菊の酢の物、いぶりがっこ、煮物、ごま和えもいただきました。

酢の物を一緒に食べることで、口の中の油っぽさをさっぱりさせてくれます。あたたかい気遣いのある献立がうれしいです。

とんぶり入り食用菊の酢の物

 

本場で一から作る、きりたんぽ鍋の美味しさはやはり格別で、応援隊の皆さんも感動!!

 

お腹を満たした後は、陽気な母さんの店にてお買い物タイム。

新鮮な野菜が並ぶ店内。

都内ではなかなか見かけないような野菜も、石垣さんが解説やメニューの提案をして下さるので安心して購入できます。スーパーでは体験できない、「陽気な母さんの店」ならではのアットホームな雰囲気が印象的でした。

 

秋田と言えば、秋田犬

そして市内中心部へ向かいます。

最後に、今年5月にできたばかりの観光交流施設「秋田犬の里」を訪問!

施設の外観は、ハチ公が主人の帰りを待っていた当時の、二代目渋谷駅をモチーフにしています。

中には秋田犬の展示室やお土産コーナーがあり、テラスに上がると大館の街を一望できます。

秋田犬ふれあい隊の「おもち」と「勝大」と触れ合うことができました!

人馴れしているので自分から近付いてきます。

各々でお土産も購入し、無事全てのスケジュールを終えました。

 

秋田の魅力もりだくさんの2日間

比内地鶏への理解を深めるだけでなく、大館曲げわっぱ・とんぶり・秋田犬など様々な秋田の魅力を体感でき、充実した産地訪問となりました!

比内地鶏応援隊の皆さんが考えたレシピは、都内のスーパーで行う販売キャンペーンでの紹介のほかに、ホームページでも公開予定です。

また、Instagramのハッシュタグ #比内地鶏応援隊 にて、応援隊の方々のレポートや、秋田の食材を使ったレシピなどをご覧いただけますので、そちらも是非あわせてお楽しみくださいませ!