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19.12.24

料理教室探訪 〜「La Cucina di U」中山U子先生〜

中山U子先生のご自宅レッスンに伺いました。

 

バス通りから坂を登り、静かな住宅地の中に先生のご自宅があります。

普段は外部講師やイベント、ケータリング、出張料理教室などが中心という中山先生。ご自宅レッスンに訪れる生徒さんは、みなさん口コミやご紹介で参加されているそうです。

 

切り物や加熱調理などの実習も、みなさん少しずつ交代しながらなるべく全部の作業を行うスタイル。4〜5人までの少人数で、しっかりと経験できるようにしているそうです。

 

▼中山U子先生Instagram

https://www.instagram.com/yukonakayama/

 

今回はクリスマスメニューということで、

・真鯛のとんぶりクリーム

・舞茸とごぼうのフラン

・比内地鶏のもも肉とグリーンオリーブの煮込み

・アップルサワーケーキ

以上の4品を作ります。

 

まずは真鯛を塩と砂糖でマリネするのですが、

グラニュー糖、三温糖、てん菜糖、黒砂糖など種類の違う砂糖を味見しながら、どういう理由でどの砂糖を使うのか、体感しながらわかりやすく教えてくださいます。

そしてお次はなんと・・・!

比内地鶏の丸鶏を捌きます

先生によると、丸鶏を捌くことで鶏肉の部位がよくわかり、ブロイラーとの違いもより感じられるようになり、おいしい出汁も取れ、食材に対する感謝も生まれる。と良いことがいっぱいなのだそうです。

丸鶏は現地視察で訪れた秋田の比内地鶏の卸さんから直接送ってもらったそうです。

一羽の比内地鶏を全員で順に捌いていきます。

 

手順は

1 尾を落とし、尾の先の脂腺を取り除く。尾の肉(ぼんじり)と骨に分ける。

2 もも肉を切り分ける。

3 首を落とす。首の肉(せせり)をこそげる。

4 鎖骨を外し、胸肉とあばらを分ける。

5 胸肉とささみを切り分ける。

6 手羽先と手羽元を切り分ける。

7 もも肉を開いて骨を取り除く。

8 もも肉の筋を取る

と、書き出すと実にあっさりですが、骨と骨の間の関節の切れるところを探したり、身を傷つけないように骨に沿って包丁を入れたり、ハサミを使ったり、手で剥がしたり、包丁の入れる角度などコツが満載。

比内地鶏はブロイラーや若鶏と比べて、飼育期間も長く、良く運動もしているので、腱や筋膜が発達しているため、骨が外しづらいのだそうです。

普段食べている鶏肉もこのような処理をやっていただいていると思うと、ありがたく感じますね。

生徒さん4人で捌いた比内地鶏は、ガラと骨の部分でスープをとります。

脂に臭みがないので水以外は入れずに炊いていきます。

もも肉はこのあと煮込みに使うので、重量の1%の塩をまぶし、置いておきます。残った肉は最後にお持ち帰り用になるそうです。

皮、ぼんじり、せせりの肉を試食用に先生がフライパンで焼いてくださいました。塩も何もしなくてもうまみがしっかりしています。皮の弾力もすごい!

さらに切り物や下ごしらえを手分けして行います。包丁の持ち方や角度なども都度、丁寧に理由を説明してくださるので、生徒さんも納得されている様子。

 

メニュー説明と比内地鶏についてのお話

作業が一段落したら、一旦座って説明の時間です。

今まで比内地鶏のレッスンを受けた方ばかりなので、ここでは改めて「地鶏」と「銘柄鶏」の違いについても詳しくお話がありました。

地鶏の中でも独自の厳しい基準をクリアしたものだけが比内地鶏として流通していることを知り、生徒さんたちの理解もより深まったようです。

 

さて、ひと息ついたらお料理を仕上げていきましょう!

「アップルサワーケーキ」は煮てシロップを切ったりんごをぐるっと型に並べ、つなぎのパン粉をかけたら、サワークリームが入った生地を流し入れて焼きます。

比内地鶏はフライパンで皮目に焼き色をしっかりつけて、おいしさアップ。

玉ねぎとトマト缶を加熱して、グリーンオリーブと焼いたもも肉を加えて煮ていきます。

 

「舞茸とごぼうのフラン」は、ごぼうと舞茸に比内地鶏を焼いた油を加えて蒸し焼きにし、ミキサーでペーストに。溶き卵にそれを加え、比内地鶏のスープでのばして耐熱容器に入れて蒸します。

マリネした真鯛は酢洗いし、みかんのドレッシングとともに盛りつけます。

比内地鶏の視察の際に生産地を見学された「とんぶり」を混ぜた生クリームをのせてできあがり。

 

焼きあがったケーキには、仕上げにりんごの煮汁にカルヴァドス(りんごが原料のブランデー)を加えたシロップを刷毛で打って香りを足します。

 

前菜を盛りつけたら席について試食です

真鯛は締まってうまみが凝縮された身に、みかんの甘いドレッシングが合い、とんぶりのぷちぷちがいいアクセントになっています。

温かい前菜 舞茸とごぼうのフランは、しっかりめの固さに仕上げた卵の中に、ごぼう、舞茸、比内地鶏スープの香りとうまみが一気広がり、ほっこり温まりつつも大地の強さを感じる冬にぴったりな味でした。

先生がレッスン直前に焼き上げたパンもおいしい!

メインの比内地鶏は、レッスンの中で1時間ほど煮込んでいたものですが、全くパサつきもなく、鶏のうまみがしっかりと肉の中に残っています。

適度な弾力はありますが、決して硬くなく、柔らかすぎず、肉を食べているという感覚が。

「おいしい!」生徒さんも大満足の様子。

煮込むことでオリーブのコクやトマトのうまみも混ざり合うので、深い味わいになっています。

クリスマスのスパイスティーとデザートのケーキをいただきながらレッスンを振り返り。

 

何気なく行なっている味付けや、調理の習慣の理由を知ることができるボリュームたっぷりの内容。

お料理初心者からベテランの方まで学ぶことがたくさんある中山U子先生のレッスンでした。