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19.09.19

第三回、比内地鶏セミナー2019、開催。

今回で3回目となる貝印本社での秋田県、比内地鶏について、聞いて、見て、食べて学ぶセミナー。40名近くの料理教室の先生が集まりました。

キッチンから漂う比内地鶏の香りを感じつつ、秋田県からおこしいただいた比内地鶏研究に携わった力丸宗弘さんの講義が始まりました。

比内地鶏のお父さんである比内鶏は天然記念物!であること、比内地鶏として市場に流通しているほとんどは「雌」であること、飼育期間は150日位とブロイラーの3倍以上長いことなどなど、驚く話ばかり。地鶏というと高級なイメージがありますが、美味しくするため手間と技術をかけているわけです。

3回目の参加となる先生、初めて参加する先生にも比内地鶏の話に興味津々。

続いて、比内地鶏に惚れ込んで全国へ魅力を伝え続けている貝印の佐藤傑さんのお話。「魅力的な比内地鶏を食べて、支えて、これからも廃れないようにしたい!」と料理家の先生たちに伝えつつ、SNSでの発信は「#比内地鶏応援隊」でお願いしますと、しっかりアピール。

その後は、先生たちから積極的に力丸さんへの質問が飛び交いました。

「通常のブロイラーより飼育期間が4倍なのはなぜ」との質問に「いい仕上がりになるにはどうしても160日間かかるんです、卵を産む前の状態が良い」と。

比内地鶏のむね肉についての質問もありました。「通常よりハリがあるからか、肉質がしっとりしてる」とのこと。この後の試食にも期待が高まります。

その料理を担当されるのは、前回に引き続き渥美真由美先生。比内地鶏の生産現場にも伺い、魅力にはまったお一人でもあります。

今回着目したのは、現地視察でも評判だったガラ。お肉も美味しい鶏のガラからは、当然美味しいスープがとれるわけです。

まず最初に用意いただたスープは2種。「鶏ガラだけで煮込んだもの、もう一つは鶏ガラと野菜で煮込んだもの。お好みで塩を入れて、比べてみてくださいね!」と渥美先生。鶏ガラだけのスープは、臭みなく鶏の力強さも感じるコクある風味、野菜を入れたスープはまろやか!塩を入れなくても美味しいと感じるほどでした。煮込んでも濁ることなく、澄んだスープになるそう 。

↑鶏ガラだけで煮込んだもの(左)、鶏ガラと野菜で煮込んだもの(右)

参加した先生たちも、ガラスープの風味に納得。

続いて出されたのが、比内地鶏、ブロイラーの各部位をオリーブオイルと塩だけでソテーした味くらべのワンプレート。ももは、これが鶏かと思うほどの身がしまり噛むほどに旨味が出て脂も美味しく、むね肉はしっとり、レバーは臭みなく美味しさだけ引き出されていました。

そして、料理の実演。まずは、むね肉とたっぷりの野菜を使ってスープを。美味しいむね肉だから脂を捨てることなく全て使います。

渥美先生は「いい生産者が作る食材は、見てるだけでもうっとりするし美しい」と説明しながら、手際よくカットしたむね肉に片栗粉をはたいてさっと炒め、角切りにした野菜もたっぷり入れて鶏がらスープで10分煮込みます。

スープを煮込む間に「きりたんぽのおこげ」の実演。比内地鶏の故郷の郷土食きりたんぽを今回は中華おこげ風に!

きりたんぽをカットし、ごま油をまぶして、オーブンで香ばしく焼きます。

そして、もも肉の皮面をごま油でパリっとさせるまで焼き、

カットすると美しい深い赤色!これが比内地鶏の特徴でもあります。

そして鶏をソテーしたフライパンにたっぷりの野菜を投入、こうすることで美味しい脂も余すことなく活かすことができます。地鶏スープを入れてとろみをつけて出来上がり!

2品とも、野菜をたくさん入れることで、通常より値がはる比内地鶏もしっかり旨味とボリュームが出て、家庭でもたっぷり食べれる料理になります。
「今回は醤油やごま油でアレンジしましたが、質良い鶏だから塩だけでも美味しいんです!」と渥美先生。

試食した先生たちにも大好評、ぜひ教室でも広めてもらいたいですね!

最後は、渥美先生チーム、力丸さん、貝印チームで記念撮影。

参加者の先生たちには、今日のセミナーで感じとったことからレシピを考案してもらい、秋には比内地鶏の生産現場の視察への続きます。美味しい比内地鶏、これからの広がりがますます楽しみです!