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19.12.13

【第3回】比内地鶏応援隊 現地視察 ~1日目~

2019年10月、今年も都市部在住の料理家が「比内地鶏応援隊」として比内地鶏の生産地である秋田県へ行ってまいりました。

全国的に知名度の高い比内地鶏ですが、どんな場所で、どんな人たちの手によって生産されているのか。比内地鶏と秋田の食文化についてとことん知るための1泊2日のツアー。この活動は今年でなんと3年目!一昨年や去年とはまた一味違った学び多いものとなりました。

天気は快晴!秋田大館に上陸!


7名の比内地鶏応援隊が、秋田県の大館能代空港に到着。

過去2回では悪天候で飛行機の遅延が起きていたため、今年も心配していたのですが、この日は天候に恵まれ、まるで私たちを迎え入れてくれたかのよう!

東北の寒さも気にしていましたが、暖かい陽気に包まれ、順調に訪問スタートです。

比内地鶏とのご対面

最初の訪問場所は「アグリほくおう素雛供給施設」。

早速比内地鶏を育てている施設への訪問です。ここでは秋田県畜産振興課の力丸宗弘さんに解説していただきながら、施設内を見学しました。

比内地鶏はどこだどこだとソワソワですが、まずは親鳥の見学。

両親ともにとっても凛々しい!

大きく一際目を引くのが比内地鶏の父親で天然記念物の「比内鶏」、背が低く数が多いのが母親、アメリカ生まれの「ロードアイランドレッド種」。親鳥はオスとメスの割合が大事で、オス1:メス10の比率を守って飼育されているそうです。

産みたての卵も見ることができました!

お次はとうとう比内地鶏!

一般的な食用鶏が50日ほどで出荷されるのに対し、比内地鶏はなんと150日以上もの長い時間をかけ大切に飼育されます。

今回は飼育160日ほどの比内地鶏たちと会えました。立派な姿です!
たくさん運動し肉をつけてもらうため、広い土地で平飼い、又は放し飼いで育てられます。
こうした徹底した飼育管理から、栄養豊富かつ深い旨みのあるお肉が出来るのですね・・!

応援隊の皆さん、目で見て、耳で聞いて、黙々と比内地鶏のことを学んでいきます。

最後は生後まもない雛も見せていただきました。その愛らしい姿に、思わずメロメロ!(笑)

ひなは寒さに弱く、一箇所に固まって冷えをしのごうとし、圧死してしまうことがあるため、室温管理にはかなり気を配っているそうです。
繊細な比内地鶏の生態を知り、飼育の大変さも改めて学びました。

名残惜しくもお別れの時間。

最初はちょっと着るのが気恥ずかしかった白い防護服も、比内地鶏のことをたくさん知ってちょっとだけ様になっているようでした。

ちょっと一息…

比内地鶏を見た後は施設のすぐ近くにある食用ほおずきの畑も案内してくださいました。

一般的に知られているほおずきは観賞用で、全く種類が異なるそうです。
黄色くてかわいらしい形とフルーティーな甘さが魅力とのことで収穫体験をさせていただきました。

ご案内いただいた皆さまありがとうございました。

 

食卓までの道のりも。

さて次は比内地鶏の加工現場を見学するため、「JAあきた比内地鶏製品製造施設」へ。先ほど見てきた比内地鶏がこれからどのようにして食卓まで届けられるのか、その過程を学びます。

こちらでは解体・加工、そして包装し出荷するまでの作業が行われているとのことでしたが、今回は解体作業を見学させていただきました。

施設内では70名ほどの従業員の方々が働いており、スムーズに次々と加工していきます。

従業員の方はそんな素振りは見せずテキパキこなしていましたが、実は比内地鶏は肉質がかなりしっかりして関節の部分が硬く、さばくには相当な力が必要とのことです。これも時間をかけてたっぷり運動させる飼育方法だからこそですね…!

丸鶏を捌いたことがある応援隊もいましたが、そのスピードにはかなり驚いたとのことです。

比内地鶏の生産〜加工の作業の大変さを学び、応援隊のみなさんも高価な値段に納得。ブランドの価値を下げないためにも「絶対に今後も値下げはしない方がいい」と全員の意見が一致していました。

 

 初めて製作体験!

比内地鶏についての見識を深めた応援隊。
お次は大館駅前に移動し“曲げわっぱ製作体験”を行うために、わっぱビルヂングにある「柴田慶信商店(しばたよしのぶしょうてん)」へ!

Instagramの流行で、ブームとなっている曲げわっぱ。
特に代表的なお弁当箱は“映えやすい”上に機能性が高く、冷めてもごはんがおいしいと人気です。

柴田慶信商店さんは、天然杉の香りや吸湿性、抗菌効果を活かすため、白木にこだわり続ける大館曲げわっぱの代表的な工房。

今回は2代目・柴田昌正さんに教えていただきます。
普段から観光客の方などに体験指導を行うだけでなく、大館市内の全ての小学校で出張ワークショップも行っています。

今回は丸弁当箱の製作を指導していただきました。

実際に天然杉の板を曲げてみて素材の繊細さに触れたり、カンナやノコギリなどを使った複雑な作業では、曲げわっぱ作りへのこだわりや、その工程の意味の大切さを学びました。

柴田さんが各工程のお手本で見せてくれた手さばきは非常に美しく、職人の技術を間近で感じることができました。

みなさん、貴重な経験ができて大満足の様子!

1日目の産地訪問はここで終了です!

 

楽しく、美味しく、秋田の食を大満喫

夜は生産者の方々や地元の料理関係者との交流会が行われました。

比内地鶏はもちろん、とんぶりや枝豆など秋田の名産品をふんだんに使った料理に舌鼓を打ちます。
お酒も入り、生産者の方からはより深い話が聞けたりなど、場の雰囲気も大いに盛り上がりました!

食事を楽しみながら秋田の食に携わる方々との交流を深め、2日目へ向けてのエネルギーを蓄えたみなさんでした。