秋田県の医療を取り巻く現状と課題について、お知らせします。
県民の健康
秋田県の令和3年の出生数は4,335人(前年に比べ164人減少)、人口千対の出生率は4.6で全国平均の6.8を大きく下回っており、全国最下位となっています。
秋田県の令和3年の死亡数は16,019人(前年に比べ640人増加)、人口千対の死亡率は17.0で全国平均の11.7を大きく上回っており、全国第1位となっています。
死因別では、第1位は悪性新生物、第2位は心疾患、第3位は老衰、第4位は脳血管疾患となっており三大死因による死亡者が全体の48.9%を占めています。
少子高齢化が急速に進んでいる秋田県においては、内科、整形外科など、高齢者に多い疾患分野の医療確保が急務となっています。
医療資源の整備状況
秋田県には、現在64の病院があり、開設者別では、医療法人が35病院、市町村が10病院、厚生連が8病院などとなっています。(R5.4.1現在)
市町村立病院と厚生連病院が、二次医療圏における中核的病院の役割を果たしています。
医師不足の現状
医療施設従事医師数
秋田県の医療施設従事医師数は、前回調査から32人増加(過去10年間では124人増加)し2,328人となっていますが、人口10万人対で見ると全国31位(前回:30位)と下位にあります。また、全国平均の256.6人には約14人が不足しています。
区分 | 平成26年 | 平成28年 | 平成30年 |
令和2年 |
---|---|---|---|---|
全国(A) | (296,845) | (304,759) | (311,963) | (323,700) |
233.6 | 240.1 | 246.7 | 256.6 | |
秋田県(B) | (2,243) | (2,257) | (2,296) | (2,328) |
216.3 | 223.5 | 234.0 | 242.6 | |
差(B-A) | △17.3 | △16.6 | △12.7 | △14.0 |
「医師・歯科医師・薬剤師調査(隔年調査12月31日現在)」の結果による
医師の地域偏在
令和2年の調査では、秋田周辺医療圏の人口10万人対医療施設従事医師数が333.2人となっているのに対して、北秋田医療圏や湯沢・雄勝医療圏ではその4割程度となっています。その一方で、秋田市では391.3人と全国平均を大きく上回る医師が集中しており、県内での地域偏在が課題となっています。
○医師の地域偏在の状況(医療施設従事医師数、人口10万人対医療施設従事医師数)<単位:人>
区分 |
平成26年 | 平成28年 | 平成30年 | 令和2年 | 対秋田比 (%) |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
従 事 医師数 | 人 口 10万対 | 従 事 医師数 | 人 口 10万対 | 従 事 医師数 | 人 口 10万対 | 従 事 医師数 | 人 口 10万対 | |||
大館・鹿角医療圏 | 158 | 139.7 | 172 | 156.5 | 174 | 163.5 | 165 | 160.0 | 48.0 | |
北秋田医療圏 | 37 | 102.3 | 37 | 106.0 | 38 | 113.6 | 40 | 124.0 | 37.2 | |
能代・山本医療圏 | 146 | 173.6 | 154 | 190.1 | 158 | 203.2 | 152 | 203.5 | 61.1 | |
秋田周辺医療圏 |
1,242 |
306.0 | 1,237 | 311.2 | 1,270 | 326.1 | 1,287 | 333.2 | 100 | |
うち秋田市 |
1,164 |
365.2 | 1,159 | 369.5 | 1,187 | 384.8 | 1,204 | 391.3 | 117.4 | |
由利本荘・にかほ医療圏 | 195 | 182.7 | 190 | 183.1 | 191 | 190.0 | 205 | 208.9 | 62.7 | |
大仙・仙北医療圏 | 196 | 148.4 | 202 | 157.2 | 205 | 164.8 | 204 | 168.8 | 50.7 | |
横手医療圏 | 189 | 203.0 | 186 | 204.6 | 190 | 216.0 | 201 | 234.9 | 70.5 | |
湯沢・雄勝医療圏 | 80 | 121.3 | 79 | 124.9 | 70 | 115.3 | 74 | 126.2 | 37.9 |
「医師・歯科医師・薬剤師調査(隔年調査12月31日現在)」の結果による
「対秋田比」は、令和2年末の秋田周辺医療圏を100とした場合の対比である