5月の端午の節句が終わると、農作業が本格化します。横手市保呂羽(ほろわ)地域の金井神集落では、田植え時期の郷土料理が伝わります。農作業の合間に食べる料理は携帯が簡単なものが重宝されました。

●笹巻き

もち米と笹を使用した「笹巻き」。
笹は殺菌効果があり、秋田県内でも馴染み深い保存食です。端午の節句や田植え後の「さなぶり」の場で食べられてきました。笹の巻き方や使用枚数によって地域性があり、金井神では3枚使うと「長(なが)巻き」、2枚の場合は「短(みじか)巻き」と呼んでいます。

●朴の葉まんま

農作業の合間に食べたという「朴の葉(ほおのは)まんま」。
「小昼(こびる)まんま」とも呼ばれ、金井神では、ご飯にきな粉をまぶして食べます。大きな朴の葉でご飯を巻き、ビニールなどで縛ると持ち歩きに便利なので携帯食としても重宝されました。

令和2(2020)年3月掲載

【関連リンク】あきた食の国ネット(外部リンク)
ほおの葉まんま 
笹巻き

こちらの記事もおすすめです

金位神社の歴史

 横手市保呂羽(ほろわ)地域の金井神・上坂部(かないがみ・かみさかべ)集落にある「金位(かない)神社」は、農作、酒造り、医療の神としてあがめられている、村の鎮守の神「少彦名(すくなひこな)の神」が祀られている神...

歴史

神社・寺

保呂羽山 波宇志別神社

 横手市の保呂羽山 波宇志別(ほろわさん はうしわけ)神社は、天平宝字元年(757年)の創建と伝えられています。本殿は保呂羽山の山頂、標高438メートル地点に鎮座し、参道には秋田藩主が参拝の際に籠を降りた「かご立場」、そし...

歴史

神社・寺

夏の郷土料理

 横手市保呂羽(ほろわ)地域の金井神・上坂部集落では、昔は新盆に“ところてん”を食べ、仏壇にもお供えしていたそうです。この他にも冷蔵庫の無い時代は、もち米、笹、シソの葉など、物持ちがよい素材を使った料理が重宝され、夏...

郷土料理