由利本荘市笹子地域の丁岳(ひのとだけ)方面に続く県道70号線沿いには、野宅、中村、砂口、天神などの集落が形成され、緩やかにせり上がる棚田が広がる、のどかな農村風景があります。秋田県内屈指の豪雪地帯であり、江戸時代の文献には、充分な食糧を確保できなかったとの詳録が残っています。笹子の人々は、松皮餅などの救荒食を発達させながら、集落ごとに協力しあい、厳しい自然環境を生き抜いてきました。
昨今、少子高齢化の影響により、集落機能の限界を感じていた笹子地域では、平成27(2015)年、笹子地域の各町内会と有志団体が「笹子地域づくり実行委員会」を設立。“地域の人たちが安心して住み続けられる町づくり”を理念に活動を始めました。
取組のキーワードとしてあげられたのが、「きのこ、山菜」、「まつり」、「高齢者対策」でした。
そこで、実行委員会では“山の恵み”を地域資源と考え、これを活かして地域活性化を図る「産業振興部会」と守り続けていかなければならない文化財、神事、地域まつりの継承のための活動をする「伝統文化継承部会」に二つの部会を設けました。
平成27(2015)年秋、「地域資源である山の恵みを活かして、人を呼び込もう」と、補助金などには頼らず、出店する方々から会費を募り、初めて「きのこ祭り」を開催します。大盛況に終わったことに自信をもち、翌年春には「山菜まつり」まつりを開催します。
また、令和3(2021)年、旧笹子小学校の授業で使用されていた「立体マップ」を公民館に移設。新たに史跡などの表記を加え、地域住民に深く知ってもらい、伝統文化の継承に繋げる活動をしています。
この先も「笹子地域づくり実行委員会」では、“自分たちで出来ること”を模索し活動を続けます。
令和4(2022)年3月掲載
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