画像:初代「川井橋」

 湯沢市秋ノ宮地域には、昭和初期に作られた初代「川井橋(かわいばし)」の橋桁の一部が保管されています。

川井橋は、昭和9(1934)年から平成4(1992)年まで、国道108号線に架かっていました。全国的にも珍しい「フィーレンディール」と呼ばれる橋梁形式の鉄筋コンクリート製で、当時としては頑丈な構造でしたが、昭和22(1947)年の大洪水で橋脚が流出し、橋桁は川底に沈んでしまいました。しかし、橋桁はほとんど傷みがなかったため、川底から引き上げられて復旧されました。

架設から半世紀が過ぎ、橋の劣化や交通量の増加を考慮し、昭和42(1967)年、2代目の川井橋が架設されました。当時は初代川井橋と併用する形をとっていましたが、平成4(1992)年、3代目の川井橋が架設されるに伴い、初代の川井橋は解体されました。

現在は、初代川井橋の一連が目覚めの清水の向いに保存されています。保存場所からは、2代目、3代目の川井橋も見え、長年に渡り、地域の交通を支えてきた川井橋の歴史に触れることができます。


令和2(2020)年3月掲載

■参考文献
『秋ノ宮の今とむかし』
『現地看板』

●所在地:〒019-0321湯沢市秋ノ宮  →秋ノ宮地域イラストマップ
(国道108号に架かる川井橋の脇、五叉路公園内)
 

こちらの記事もおすすめです

唐戸石(からといし)

 湯沢市秋ノ宮地域の旧中山小学校跡地では「唐戸石」を見ることができます。 江戸時代後期、中山集落で起きた地すべりによって役内川が堰き止められ、上流の集落は土砂によるダム湖(堰き止め湖)になったと言われています。現...

歴史

史跡

樺山水力発電所

 樺山水力発電所は、明治33(1900)年、院内銀山に電気を共有するために湯沢市秋ノ宮地域に建設されました。秋田県内で4番目に作られた発電所で、現存する県内の発電所建築の中で最も古いものです。院内石による洋風建築も珍し...

自然・施設

その他

かだる雪まつり

 湯沢市秋ノ宮地域では、旧秋ノ宮スキー場のゲレンデを会場に、「かだる雪まつり」が行われています。 「かだる」は秋田の方言で「参加する」の意味。約3000個のミニかまくらのキャンドルがゲレンデに点灯され、どんと祭、餅つ...

伝統行事・イベント

季節の行事