大仙市の小神成(こがなり)集落会は、田ノ尻、南小神成、北小神成の3集落の集まりです。歴史的文化財が多く残る地域ですが、その他にも、「太田花いっぱい運動」により集落ごとに咲き誇る花壇の花々は、道行く人々の目を楽しませてくれます。

 全県花だんコンクールには各集落ごとに参加し、団体や個人で様々な賞を受賞しています。以前は8月下旬から9月中旬頃まで、花壇を利用したスタンプラリーが行われていて、地域内に配置された数か所のスタンプコーナーでスタンプを全て集めると参加賞がもらえるなど、集落内の花壇のPRに力を入れてきました。
 このように小神成集落会では花壇を中心とした活動が多く、花壇の維持管理、花壇の片付けなど、集落全体で取り組んでいます。
 

 花壇以外の活動では、ビオトープ公園での農村体験や、グラウンドゴルフ大会などが行われています。また、田ノ尻集落に150年以上前から伝わる小正月行事“雪中田植え”は、各家々で行われてきましたが、昨今、これを行う農家が減少してきたことを危惧し、この行事を継続させていくために個人ではなく集落単位で行うこととしました。各家々で異なる方法で行われていた“雪中田植え”の手法を統一し、平成28(2016)年、集落共通の手法として独自の「覚書」も作成されました。現在も住民の8割はこの行事に参加しています。

 また、令和元年には、元号が新たになったことにあわせ記念事業を行いました。小神成集落の思い出や現在の様子、未来への期待を記した書面をタイムカプセルにして埋設し、10年後に開封しようというイベントや、地域の歴史を将来に残すため太田町史や家庭の資料文献から資料を収集して記念誌「小神成集落の令和元年~小神成村・長信田村の歩み~」を発行する大事業を行いました。

 花壇づくりだけが目標ではなく、これらの活動によって、交流の手段ができ、「人を知る」「人を作る」「集落を作る」ことへと繋がっていくのだと、小神成集落会の方々が話していました。

 昔のように集まる機会が減ってしまったからこそ、こういった活動は地域にとっての宝物となっています。                         

平成24(2012)年5月掲載
令和4(2022)年1月更新
 

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