昭和8年(1933年)、救農土木事業として奈曽川・鳥海川流域に砂防ダムの建設が始まりました。これが、秋田県の砂防ダム第一号となったものです。
 奈曽川は鳥海山系の稲倉岳に源流を発し、非常に深く険しい渓谷を流れる急流です。活火山である鳥海山の周辺の地質は非常にもろく崩れやすいため、荒廃も激しく、かつては大雨や雪解け時に発生する急流によって土石流などが多発し、下流の集落や田畑は度々被害を受けました。横岡の集落は奈曽渓谷がちょうど開けた扇状地に形成されているため、この土石流による影響も相当のものだったでしょう。
 初めに建設された第一号のダムは高さ12m、長さ58mで、石積みによるものでした。戦後からはRC(鉄筋コンクリート)造に切り替えられ、建設が続けられました。これらは現在でも周辺地域を土砂災害から守る堰堤として活躍しています。


平成23(2011)年4月掲載

■参考文献
『秋田県の砂防 第3集』
『秋田県の近代化遺産 -日本近代化遺産総合調査報告書-』

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