昭和8年(1933年)、救農土木事業として奈曽川・鳥海川流域に砂防ダムの建設が始まりました。これが、秋田県の砂防ダム第一号となったものです。
 奈曽川は鳥海山系の稲倉岳に源流を発し、非常に深く険しい渓谷を流れる急流です。活火山である鳥海山の周辺の地質は非常にもろく崩れやすいため、荒廃も激しく、かつては大雨や雪解け時に発生する急流によって土石流などが多発し、下流の集落や田畑は度々被害を受けました。横岡の集落は奈曽渓谷がちょうど開けた扇状地に形成されているため、この土石流による影響も相当のものだったでしょう。
 初めに建設された第一号のダムは高さ12m、長さ58mで、石積みによるものでした。戦後からはRC(鉄筋コンクリート)造に切り替えられ、建設が続けられました。これらは現在でも周辺地域を土砂災害から守る堰堤として活躍しています。


平成23(2011)年4月掲載

■参考文献
『秋田県の砂防 第3集』
『秋田県の近代化遺産 -日本近代化遺産総合調査報告書-』

こちらの記事もおすすめです

横岡の獅子舞(初午 はつうま)

 初午(はつうま)、とは、二月最初の午(うま)の日のことを指し、お稲荷様のお祭りとなっています。前日の夜「石持ち占い」が行われた稲荷神社で奉納された獅子舞を、各家庭を回って行う日です。  舞い手はすべて小中学生...

伝統行事・イベント

伝統行事

石持ち占い

 にかほ市横岡地域では、2月の最初の午(うま)の日に「初午(はつうま)行事」が行われます。集落の稲荷神社のお祭りで、前夜祭は個人宅にある「横岡正一位宇賀稲倉神社」で「石持ち占い」が行われます。「横岡正一位宇賀稲倉...

伝統行事・イベント

季節の行事

横岡の歴史

 にかほ市横岡地域は、西暦76年、「山辺のよこし」という人がこの地方をおさめる為に来て住んだのが村の始まりという言い伝えがあります。  また、1390(明徳元)年には、現在の古家の方の先祖が横岡へと移り住んできている...

歴史

地域の歴史