秋田県を代表する滝の一つに、この「奈曽の白滝」があります。「奈曽の白瀑谷」という名称でも呼ばれ、昭和7(1932)年には国の名勝に指定されています。国の重要無形民俗文化財「小滝のチョウクライロ舞」で知られる金峯(金峰)神社の境内地にある滝で、高さ26m、幅11mで豊富な水量があり、非常に壮観な瀑布です。コバルトブルーに見える滝壺もまた魅力的です。
かつて鳥海山は神聖な神の山として崇められ、修験道の場とされていました。鳥海山の麓である小滝地域は各地より山参りに訪れた人々の世話や山への案内をする、修験者たちが居住した宿坊村でした。ここ金峯神社もまた修験者と関連の深い場所であり、滝は修行の場にもなったと言われています。
この金峯神社の境内を標識に従って進んでいくとドウドウと響く滝の音が聞こえてきます。長い石段を降りていくと、水際の岩場まで降りられるようになっています。岩のために滝の真下近くまではいけませんが、それでも滝の迫力を十分に感じることが出来ます。また、ここへ降りる階段とは別に、途中でもう少し奥へ進むと見えてくるのが長さ75m、高さ21mの「ねがい橋」という名の吊り橋です。ここからも滝壺とは違うアングルから渓谷全体の景観が楽しめます。春夏秋冬、それぞれに違った景色が私たちを楽しませてくれます。
国道7号線から県道58線、県道131号線(鳥海ブルーライン)と進んでいくと案内標識があります。交差点近くに無料駐車場があり、そこから徒歩で5分ほど歩くと金峯神社の境内に到着します。滝へ降りる階段は急で、長く続いています。滑りやすくなっていることもありますので十分注意してください。
平成23(2011)年4月掲載
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