秋田県の無形民俗文化財に指定されている「赤田大仏祭り」は、江戸時代、「赤田の閑居様」と地域の人々に慕われた是山(ぜさん)和尚が、長谷寺(ちょうこくじ)に、「赤田の大仏」と呼ばれる長谷十一面観音像を造ったのちに始まったといわれています。五穀豊穣、家内安全を祈願する200年以上続く、由利本荘市赤田の伝統行事です。

 8月下旬の週末に行われるこの祭典は、長谷寺と赤田神明社の合同で行われる、神仏混合の全国的にも珍しい祭典です。
以前は日にちを固定し二日間にわたり行われていて、前日に大仏の分身を入れた御神輿を神明社に移して一夜を明かし、
翌日に御神輿は長谷寺をめざし、神明社を出発していましたが、神輿の担い手不足などの影響で、令和4(2022)年からは祭りの前日にあらかじめ大仏の胎内仏を神明社に置き、祭り当日に御神輿は長谷寺をめざし、神明社を出発します。

 見所の一つが、御輿の前後を練り歩く「赤田獅子舞」や「平岡獅子踊り」などの奉納芸能の集団です。周辺地域に伝わる民族芸能が一同に会し、行列を作り練り歩く様は見応え満点、祭典を賑やかに演出します。

 赤田大仏祭りは、豊作を祈願する農耕文化の一面だけでなく、是山和尚を慕う赤田の人々が、氏子や檀家の域を越え、町内全体で、この祭典を伝承してきました。神明社と長谷寺をつなぐ赤い橋を練り歩く行列からは、地域の団結力の強さが伝わってきます。

平成23(2011)年4月掲載
令和6(2024)年8月更新

■参考文献
『本荘市史 文化・民族編』

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赤田の大仏

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