由利本荘市の赤田(あかた)大仏祭りに行ってきました! 8月21日から22日にかけてのお祭りですが、取材班は22日の朝に赤田に到着しました。とにかく人の多さに圧倒されます。
「奉納 南無十一面観世音菩薩」と大書された旗が風になびいています。
赤い欄干の橋のたもとには大勢のカメラマンが今や遅しと待っています。
約1キロメートル離れた神明社から長谷寺(ちょうこくじ)に向かう間に、集落ごとに獅子舞や踊りなどを披露する光景が大勢の観客を呼び込んでいるんですね。旗の色彩の鮮やかさに、日常生活とは少しかけ離れた“特別な日”を感じます。
21日には「赤田大仏」の分身とされる小さな観音菩薩像が、住職や地区の代表者によって約1キロメートル離れた神明社に運ばれます。
写真は、少し遠くから撮った神明社の様子です。
一晩安置された観音菩薩像は、翌22日に御輿に乗せられ神明社に運ばれます。この時に赤田地域とその周辺から、それぞれの集落で大切に保存・継承されてきた獅子舞や伝統芸能の担い手たちが行列に参加し、道行く人達やお寺の境内で伝統芸能を奉納します。
豊作と家内安全を祈願する行事で、少子化が言われる近年でもその勢いが衰えることがありません。
「赤田大仏祭り」は全国でも珍しい「神仏習合」の祭りとして知られ、県無形民俗文化財に指定されています。
獅子舞の太鼓が鳴り響きます。男の子のきりっとした姿が凛々しいです。
最初は赤田獅子舞。
続いて、芝野の獅子舞保存会の登場です。
平岡獅子踊り。3頭の獅子です。
笛を吹いている人の衣装もきれいです。
獅子頭が印象的です。
関係者の話によりますと、集落同士の対抗意識が強く「他の集落には負けられない。みんなでお祭りを作り上げていこう」という気持ちが祭りを支えていると言います。
次は「山田獅子舞」の方々です。
行列は続きます。そして御輿の登場です。
御輿の後にお寺の一行が続きます。
北福田地区の社切(しゃぎり)の皆さんは動作がとても面白くて、
回りの人達も笑顔がこぼれます。
獅子舞の方も笑顔いっぱいです。
かわいい園児たちが通ってきました。
各集落では、小学生と中学生も頑張っています。
笛はよく見ますが、三味線は珍しいですね。
旗には「渡海安全」と書いてあります。
こちらは福田集落です。
一行の列も、お寺に近くなってきました。
笠の上にあるのはどなたの像でしょうか?
御輿が長谷寺に入ります。
一行はお寺の階段を上っていきます。
この日、空は快晴。由利本荘市の最高気温は33度を超えていました。暑かったです。獅子舞などをしている方や御輿の担ぎ手の青年の方は汗だくでした。
すりがね、ホラ貝が祭りを盛り立てます。
赤田の長谷寺は、1775年(安永4年)に是山(ぜさん)和尚(赤田の閑居様)によって創建されました。
1784年(天明4年)に、鎌倉の長谷寺(はせでら)の本尊と同じ木から彫り出されたといわれる
仏像を胎内仏として、大仏様(観音像)の制作が始まり、2年後に完成したと伝えられています。
明治時代に火事によって焼けてしまいましたが、
地元の住民の皆さんの力により観音像および本堂が再建されています。
この「赤田の大仏様」は、奈良県桜井市の長谷寺(はせでら)、
鎌倉の長谷寺と並び日本三大長谷観音の一つとされています。
それにしてもすごい観客。地元の人も多いようです。
境内にはいろいろな仏様が安置されています。
下の写真右側は「閑居様」つまり是山和尚の「お手造りの地蔵さま」です。
境内に入った集落の一行は、大仏を安置しているお堂を3周して、大仏の正面で獅子舞などを披露します。
四神と宝剣が飾られていました。
青竜(せいりゅう)・朱雀(すざく)・白虎(びゃっこ)・玄武(げんぶ)ですね!
像の一つ一つの造りがきれいで、大事にされていることが分かりました。色鮮やかで、目を引きます。
赤田獅子舞、凛々しい少年が舞を舞っていました。
各集落の獅子舞などが次々に奉納されます。
御輿がお寺へと戻り、大仏様は無事に戻られました!
以上、赤田大仏まつりの様子をリポートしました。