年間を通じて多くの登山客で賑わう標高713mの「八塩山(やしおさん)」。登山ルートは、一般的に知られた八塩山ルート(由利本荘市 東由利)だけではなく、ここ坂之下集落より続く矢島ルートもあります。
矢島ルートは、「八塩山」の隣山であり、坂之下集落の裏山として親しまれている「神代山(じんだいさん)」をゆっくり通っていきます。「神代山」のふもとにはかつてのこの地方を支配していた豪族が最終決戦の地とした「荒倉館」があり、集落オススメのビューポイントの看板があります。空気の澄んだ秋晴れの中、ブナの落ち葉が作り出す赤い絨毯の上を進んでいくと、雄大な鳥海山、日本海と男鹿半島が同時に視界に広がるパノラマを見渡せる丘が、「神代山」には数か所あります。
この壮大な風景を眺めながらのトレッキングが、矢島ルートならでは。平成23年(2011年)、現在こちらの道はトレッキング用に整備されていますが、かつての矢島ルートは海と山を繋ぐ重要な生活道でした。矢島を代表とする銘酒や、本荘の港であがった海産物などの交易路や、飢饉があった際の物資を運ぶための道として利用されていたそうです。
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