男鹿半島最大級の洞窟
絶え間なく岩肌に飛沫を叩きつける日本海の荒波。この波の浸食によって形成された男鹿半島最大級の洞窟「カンカネ洞」。現在のようにコンクリート舗装された道路がない時代、海岸沿いの街道中最大の難所とされていました。
旅人達はこの洞窟の外壁に鉤(かぎ)をかけて渡ることから「カギカケ洞」と呼ばれていたのが、いつの頃からか訛って「カンカネ洞」になったのが名前の由来とされています。
洞の内部は面積およそ50坪、高さは約7丈(21メートル)と広々としており、海に面して大きな2つの窓があり、押し寄せるさざ波が洞の中で静かに反響しています。
「カンカネ洞」は、かつて秋田を旅した菅江真澄の記録にも残されています。真澄は、波の飛沫が洞に激しく叩きつけられ、海水が洞内に流れ込む様子を描いています。しかし、現在、真澄の描いたイラストの様になるのは、海が大荒れの時に限られます。
男鹿の地質は変動しやすく、現在の「カンカネ洞」付近の地面が隆起したことが伺えます。男鹿の自然が作り出したアートは、観光客だけでなく地質学者をも引きつけて止みません。
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