水沢ダムは、秋田県の県営土地改良事業によって造られた「防災・かんがいダム」です。この種類のダムの中では、秋田県内一の規模を誇ります。
水沢ダムを潤す水沢川は、八峰町と藤里町にまたがる3つの山を源に発しています。地域のシンボル的存在「水沢山(822m)」と「焼山(963m)」、そして白神山地世界自然遺産地域に登録されている粕毛川源流部との分水尾根に位置する「次郎左衛門岳(946m)」を源に、その流程はおよそ20kmに及びます。水沢川を取り巻く「白神山系水沢川源流の森」は、林野庁の指定する「水源の森百選」にも選ばれています。
水沢ダムの形式は「中心コア型ロックフィルダム」と呼ばれ、岩の重量により巨大な水圧に耐える事が可能で、中心のコアと呼ばれる粘質土で水漏れを防止しています。また、ダムに一時的に洪水を蓄えることで、ダム下流の水害を未然に防止します。70年に1回の大洪水(日雨量201ミリメートル)が発生しても大丈夫と言われています。その他、ダムに蓄えた水を下流に流すことで、農地を干ばつ被害から守る役割も担っています。地域に水を安定的に供給することが水沢ダムの大きな役割といえます。
ダムサイトから見える「峰水湖」の景色は、八峰町の観光スポットの一つです。ダムサイト正面には、端正な三角形の形をした秀麗な独立峰・水沢山が白神山系の山々と共に雄大に佇みます。新緑、紅葉の季節におススメのビューポイントです。
平成24(2012)年5月掲載
■参考文献『水沢ダム現地説明看板』
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