弘法大師の伝説残る「権現の大銀杏」
藤里町中通地域の田中集落には、昭和30年に秋田県指定天然記念物に指定された大樹、「権現の大銀杏」があります。この「権現の大銀杏」には、弘法大師の伝説が残されています。
あるとき、諸国修行中の弘法大師が、湯の沢の館を訪れ、岩の間から湧いている清水を汲んで昼食をとり、箸を地面に刺したままその場を立ち去りました。その二本の箸が、時を経て一本の樹に成長したのが、「権現の大銀杏」であると伝わっています。
「権現の大銀杏」は、冬が近くなると、「ごぉっ」という音とともに一斉に落葉します。真夜中に、この落葉の様子を見てしまうと不幸が訪れるというジンクスがある一方、母乳の出が少ない母親が、大銀杏の気根を撫で、その撫でた手で自分の乳を触ると、母乳が出るようになった、という縁起の良い話が伝わっています。また、中通地域の農民は、落葉した後の様子から、農作物の作柄を占っていたこともあります。
昔から、住民のそばにあった「権現の大銀杏」は、今も住民のそばにあり、住民たちから親しまれています。
昔から、住民のそばにあった「権現の大銀杏」は、今も住民のそばにあり、住民たちから親しまれています。
令和元(2019)年12月掲載
■参考文献
現地説明看板『権現の大イチョウ』
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