藤里町中通(なかどおり)地域の滝の沢集落には、落差18メートルの「銚子(ちょうし)の滝」があります。
滝つぼの形が徳利(とっくり)に似ており、滝つぼに落ちる滝の様子が、徳利に酒を注いでいるように見えることから「銚子の滝」と名付けられました。滝の落ち口が突き出ていたことから、「提子(ひさげ)の滝」とも呼ばれていました。
銚子の滝には、享和2(1802)年に、江戸時代の紀行家、菅江真澄が訪れています。真澄の著書『しげきやまもと』によると、銚子の滝が落ちる岩に藤かずらのツルが巻き付いているのを見て、「藤かつら くり返しみる いわがねに かかるも高き 滝のしらいと」と歌を残しています。その当時、滝の右手には、岩のさけ目から温泉が噴き上げており、真澄が「湯の沢とて湯の泉あれどひややかなれば・・・」と記しているとおり、温度が25度と低かったため、人々は夏の間だけ入浴していました。
温泉は、様々な人々が移り変わり守り続け、現在(2019年)は「湯元 和みの湯」で楽しむことができます。
■参考資料
現地説明看板(藤里町教育委員会 )
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