能代市檜山(ひやま)地域には秋田県の有形文化財に指定されている「多宝院(本堂・山門・鐘楼)」があります。多宝院は慶長15年(1610年)に檜山地域に入った桧山多賀谷氏の菩提寺(先祖代々の墓がある寺のこと)で、枝垂れ桜の名所としても知られています。
佐竹氏の家臣である多賀谷氏は、秋田入りする前は常陸国(ひたちのくに:現在の茨城県)の豪族として勢威をふるっていました。多宝院は延徳元年(1489年)に当時の下総国下妻(しもふさのくにしもつま:現在の茨城県下妻市)に創建されましたが、慶長15年の多賀谷氏の檜山入りとともに現在の場所へ移されました。
風格を感じられる門構えや、東北地方では珍しい「ウグイス張り」の廊下には古き良き日本の風情が感じられます。
春には庭園の枝垂れ桜が咲き誇る様子を見ようと多くの観光客が訪れる風光明媚な場所です。
平成29(2017)年3月掲載
■参考文献
『多宝院 現地看板』
『多宝院 現地看板』
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