減反から生まれたアイディアの干し餅
寒さが肌に刺さるような冬になると、雪国の家々の軒下には色鮮やかな干し餅が吊され、真っ白な雪景色を彩ります。干し餅は寒風に晒して乾燥させた保存食として知られています。
北秋田市前山地域には平成22(2010)年、「おから入り干し餅」という一風変わった干し餅が誕生しました。干し餅におからを入れようと考えたのは前山地域に住む、戸沢イサさんです。イサさんは、平成22年にJA鷹巣町(現JA秋田たかのす)が主催する「生活工夫展」におから入りの干し餅を出展し、最優秀賞を受賞しました。
当時は減反政策により、農業協同組合では減反した畑に大豆を植えることを奨励していました。そこで、イサさんは大豆を使って何か出来ないかを考えました。寒天に大豆を入れてみるなど試行錯誤しながら、おからを干し餅に入れたらどうだろうか、という考えに辿り着きました。おからを入れることにより、普通の干し餅よりも作り方が難しくなりますが、身が締まってサクサクの食感を楽しむことが出来ます。
前山婦人会では、イサさんからおから入り干し餅の秘伝レシピを教えてもらい、「農繁期が終わり、仕事がない時期なので、みんなで干し餅を作っておしゃべりをするのが楽しい」と農閑期の冬季講座として干し餅作りをしてきました。
イサさんが講師を務める干し餅作りの講座は終了しましたが、郷土の名物として、前山地域では、個人で干し餅を作り続けている方々がいます。
イサさんが講師を務める干し餅作りの講座は終了しましたが、郷土の名物として、前山地域では、個人で干し餅を作り続けている方々がいます。
平成27(2015)年3月掲載
令和3(2021)年4月更新
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