画像:赤ずし

 秋田県北部に伝わる「赤ずし」は、お盆に仏壇やお墓のお供えとして作られてきました。ちょうど、赤しそが収穫できる時期とも重なり、「ご飯の漬物」とも呼ばれお盆の食卓には欠かせない一品でした。

 材料と作り方はいたってシンプルです。まず、赤しそを洗って塩を入れて揉み、さらに三杯酢を入れて揉んでいくと汁が出ます。次に保存容器に揉んだ赤しそを汁ごと入れ、あらかじめ炊いていた餅米を人肌に冷まし、ご飯と赤しそを交互に重ねて入れていきます。最後に重石をして三日間寝かせ、軽く発酵させたら食べ頃です。

 近年は作る方が少なくなっていますが、先人たちが生み出した大切な伝統料理の赤ずし。能代市上町地域では、定期的に郷土料理教室を開催して、赤ずしなどの郷土食を継承していこうと活動しています。
令和3(2021)年8月掲載

■参考文献
建設省東北地方建設局森吉山ダム工事事務所/編『阿仁川流域の郷土料理』

【関連リンク】産地直送ブログ
能代市上町地域の“シゲちゃんの料理教室”で「赤ずし」づくり♪ (2021年8月掲載)

 


 

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