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歴史を知る

鹿島流しと作酒(さくじゃけ)

画像:鹿島流しと作酒(さくじゃけ)


   秋田県内では「鹿島様」に関する行事を様々な場所で見ることができます。県南部の雄勝地方では、稲藁で作った藁人形の「鹿島様」を悪疫除けとして集落の境目に設置する地域が多く見られ、湯沢市の小野地域若畑地域でも大小様々な鹿島様を設置しています。県南部での鹿島様は「道祖神(集落内に悪いものが入ってこないようにする結界、守り神)」の意味合いを持つ鹿島様が多いようです。

 
 八峰町・旧峰浜村の岩子集落と大久保岱集落では、田植えが終わる6月10日ごろ、長さ2mほどの木造りの船に鹿島人形を5~6体積み込んで川に流す「鹿島流し」を集落ごとに行っています。稲作が主体の峰浜村では「鹿島流し」は疫病を送り流すことが目的と考えられています。岩子集落と大久保岱集落の鹿島様は、稲藁で作った人形を服や帽子で着飾り、布を巻いた人形の顔にマジックなどで表情を描きます。着せる服や表情がそれぞれ異なるので、両地域の鹿島様の船は色とりどりの賑やかな鹿島船になります。
 
 船に乗せた鹿島様は、住民が船をリヤカーでひっぱりながら、各集落会館を出発し、笛や太鼓の賑やかなお囃子とともに集落内を練り歩きます。大久保岱集落の場合は、大久保岱神社に到着後、お参りをしてから水沢川に鹿島様を流しています。鹿島様に供えたお餅を食べると風邪をひかないという言い伝えもあるそうです。
 
 岩子集落と大久保岱集落の鹿島流しは、五穀豊穣、家内安全、交通安全などを祈願する行事として長年、地域に受け継がれてきました。さらに大久保岱集落では、収穫期になると「作酒(さくじゃけ)」という呼び名の収穫感謝祭を稲刈り前に行います。作酒は鹿島流しから繋がる行事で、呼び名の言われは不明ですが、「作物」の「作」と「酒」を掛け合わせた、とも言われています。
 
 「作酒」の時には、集落内の側溝の泥上げなどの環境整備と花壇コンクールを一緒に行い、各家々の花壇のよしあしを審査し入賞者を表彰してしまいます。「作酒」は「収穫がこれから始まるよ」と景気をつける意味もあり、鹿島流しとともに神様に感謝の意を示す、大久保岱集落の大事な農村行事となっています。
 
 
2012年5月掲載
■参考文献
 『峰浜村誌』

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