9月1日(火曜日)、2日(水曜日)の2日間、秋田県立大学のアグリビジネス学科2年生15名が「あきた地域学アドバンスト」講義で秋田市河辺、岩見三内の鵜養地域を訪れました。この講義は、「地域と大学が協働し、長期的な視野と幅広い教養を備え、秋田の地域課題を自分のものとして捉え、考え、解決に乗り出すことができる人材を育てる」ことを目標に、毎年、様々な地域で実施されています。 今年度は、秋田市鵜養地域をフィールドに現地調査を行い、地域活性化のための企画を提案します。


 鵜養地域は大平山系に沿った雨が川になり海に至っていくその上流に位置し、豊かな水と森林に恵まれた地域です。現在も、その恵みを上手に活かした生活が、先人たちから受け継がれてきています。

 それでは、県立大生の1日目のフィールドワークの様子をお届けします。
     
 まずは、この講義の担当教授、重岡先生より講義の主旨について説明があり、リアルな農村の問題などを住民から伺いたいとのお話がありました。この講義のメインテーマは「鵜養地域の資源を活かした新たな農業・農村ビジネスを考える」ことです。
 重岡教授の「秋田県立大学の、学生の最大ミッションは、地域に貢献することなのです」という言葉が印象的でした。

    
 住民側からは石塚町内会長はじめ町内会役員、「たすえむ」の名前で2年前から無農薬主食米を栽培している原田さん、そして、2024年からここに通い、原木シイタケ栽培を行う田村夫妻などが参加しました。
 石塚会長からは、地域の概要等の説明の後、「10年後にはどうなっているのか分からない限界集落だ。けれどもそれを打破すべく我々もいろいろな策を講じてきている。目指しているのは“にぎやかな過疎”です。という紹介がありました。

 その後は、学生たちから質問タイム!
   
 「にぎやかな過疎にするとは、具体的にはどういうことなのでしょうか?」という学生からの質問に、「農村と都市部の交流がとても大事だと思っていて、そのためには地域に拠点となるところが必要なのです。」と返し、拠点づくりに対する地域の強い意気込みを感じました。

 昼食後、公民館を後にして、いよいよ地域内のフィールドワークに入りました。

 最初は地域を一望できる「へそ公園」へ!入る前に爆竹を鳴らして、しっかりクマ対策も行っていました。


 春夏秋冬、それぞれの景色の顔が違いますが、間もなく実りの秋を迎える黄金色に染まった今の景色は、ずっと眺めていても飽きないくらい、米どころ秋田の景色を象徴しているようでした。もちろん、この景色を生み出しているのは、住民農家の皆さんです!


   ちなみにこちらは、春の景観の写真です。(令和8年5月撮影)


 学生たちも、この景観を写真に残そうと必死でしたよ。

      


 一旦、公民館に戻り、ここからは少し歩いて地域内を流れる堰を見学。
 
地域を流れる豊富な水量を誇る「堰」。午前中、石塚会長からの地域紹介の中で重要ポイントとして話がありました。山々からあふれ出る清冽な水を一番初めに使うことができるのが鵜養の人々です。現在も農業用水として大事な水になっています。「せきぶし(堰普請)」と呼ばれる堰の清掃作業が毎年行われ、町内会総出の仕事になっています。幅の広い側溝の清掃は大変な作業ですが、こうして住民たちは自分たちが使う大事な水を自分たちで管理し、きれいにしてきました。
 学生たちは、直に触ってその感触を味わっていましたよ!

    
 堰をたどり歩いてきた先には、地域で一番大きいもみの木が迎えてくれる佐藤家へ
もみの木を興味津々に眺めている学生がたくさんいました。
 ※「佐藤家」についての詳細はこちらから(元気ムラサイト)


 そして、フィールドワークの最後は地域の名所「伏伸(ふのし)の滝」と「殿渕(とのぶち)」へ。

     
 そばに近づいていくと、滝から水が流れる「ゴーゴー」という音が響き渡っています。そして、そこから発しているだろうマイナスイオン!で、学生たちは少し興奮気味でしたよ。
 伏伸の滝へと降りていくと



 素晴らしい景観が待っています。自然が織りなす山あいの集落の景色に、ふと息を呑んでしまう瞬間です。学生たちもしばらく足が止まっていましたよ。
 さらに、そこから殿渕へ続く遊歩道を歩きます。

 


 ここが「殿渕」。どうしてこの名が付いたのかは、説明看板をご覧ください。


 ここでは、会長の説明に対して熱心に質問する学生もいましたよ。

     
 地域の水をたどった最後の締めは大又川上流の「頭首工」です。
 会長からこの水門についての詳しい説明がありました。ここは集落内の全ての用水路の源であり、ここで集落に運ばれる水量を調節しているそうです。堰守(せきもり)と言われる住民の方が、これを管理しています。
 ここまで地域にとっての大事な水をたどってきて、学生たちも「水」は鵜養にとって大事な資源であり誇りであることを感じていたようでしたよ。
 ※鵜養の「水」については「秋田市鵜養地域で住民自慢の『水』をたどる!」(元気ムラサイト) をご覧ください。

 この日のフィールドワークはここで終了です。翌日は、さらにこの日学んだことを深掘りするため、学生たちは3つのチームに分かれて現地踏査を行います。2日目はどんなフィールドワークになるのでしょうか。住民も学生も、それぞれに準備をしっかり行っていることでしょう。
 →2日目の様子は、こちらからご覧ください。

 以上、秋田市鵜養地域から、お届けしました!

 (おまけ)
      
 一面、黄金色の田んぼ!!稲が「早く収穫してください。」と話しかけているようでした。