元気ムラの「ハレの日」の料理を紹介するシリーズもいよいよ終盤!
仙北市田沢地域の「ゆべし」を紹介します。

仙北市田沢地域で作られてきた巻き料理「ゆべし」!ゆべしとは「恵比寿」がなまったとされていて、おひな祭りに恵比寿様をかたどって作ったのが由来とも言われています。
ゆべしと言うと、 水にザラメを入れて煮溶かしてから、甘口醤油を加えて一煮立ちさせ、それを蒸して作る菓子を想像する方が多いかと思いますが、田沢地域の「ゆべし」はそれとは少し違います。
この日も暑い中での作業となりましたが、地域のお母さんたちに2種類のゆべしを作っていただきました。^^


今回は「ごま・きなこ」、「長いも・紫いも」のゆべしです。

★ごま・きなこ編★
作ってくださったのは、田沢地域にお住まいの千田ミワさんです!
    

       
生地の主な材料は、もち粉、砂糖、水。二つのボールにそれぞれ分量の材料を入れ、さらにひとつまみの塩を加え、こねていきます。よく混ざりあったら、これを蒸していきます。

 
生地が蒸しあがったら、一方にはきなこを、もう一方にはごまをそれぞれ混ぜます。ここで肝心なのが、ごまは二度摺りすることです。ごまが滑らかになり仕上がりも良くなるそうです。

 
ごま(写真左)ときなこ(写真右)の生地ともに、程よい硬さになるまでこねていきます。

 
二つの生地を重ねて巻いていくのですが、きなこの方が外側になるので、こちらを少し硬めに仕上げます。外側の生地が柔らかすぎると、巻いていくときに中の生地がはみ出してしまうそうですよ。


仕上げに入ります。それぞれの生地を伸ばしていき、長方形になったら二枚の生地を重ね、生地の先端の方から、上の生地で下の生地を包み込むようにしてゆっくりと巻いていきます。形を整えたら、「ごまときなこのゆべし」の完成です♪

続いて
★長いも・紫いも編★

主な材料となる長いもと紫いもは、ふかして潰しておきます。
田沢地域では地元産の「田沢ながいも」を収穫すると、これをふかして潰し裏ごしして冷凍保存している家庭が多いそうです。今回はあらかじめ冷凍しておいたものを解凍して使いました。
※「田沢ながいも」ついてはこちらをどうぞ♪

 


蒸しあがったら、あとは「ごま・きなこ」と作り方はほぼ同様。2つのボールにそれぞれ「長いも」、「紫いも」を入れ、分量のもち粉、砂糖、水を加えてこねていきますが、こちらには片栗粉を加えます。生地のつなぎ役になるのですね。こねた生地を小さくちぎって、蒸していきます。

 

 

 
生地が蒸しあがったら、熱いうちに、水をつけながらまな板の上でこね、滑らかにしていき、二種類の生地が完成♪
今度は生地を伸ばしていきます。^^

 
「ごま・きなこ」と同様に巻いていきますが、食材の成分が違うため、力の入れ方、巻き方が先ほどとはまた違うような感じを受けました。
巻き終えたら手で形を整え、さらに外側に模様をつけるため、巻きすでかたどります。千田さん、黙々と集中して機敏に手を動かしていました(^^♪

 
2種類の「ゆべし」の完成です(^^♪


「ゆべし」は冠婚葬祭時の口取りとしてよく作られていたそうで、「ゆべし」の“ごま”がない時は、代わりに笹の葉を焼いて粉状にしたものを使用したそうです。先人たちの知恵は素晴らしいですね。
千田さんは、これらの作り方をお母さまから受け継いだそうです。^^

さて、シリーズ最終回は同じく仙北市田沢地域で、ひな祭りの時によく作られていた「けいらん」です。今回、作っていただいた千田さんのほか、「田沢わらび会」のお母さんたちも大活躍しますよ♪
皆さん、「けいらん」と聞くと思い浮かべる料理があると思いますが、田沢地域の「けいらん」とはどんなものでしょうか?
お楽しみに♪

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●関連リンク
元気ムラの「ハレの日」料理(1)~五城目町浅見内集落の「煎りかまぶく」~
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