湯沢市院内のJR院内駅の北側数百メートル四方に位置し、古くからの歴史に醸し出された景色が色濃く残る内町集落と御屋敷集落。この2つの集落で組織する内町・御屋敷町内会は、元々は別の町内会でした。両町内とも会長がいますが、2つの町内が一体となって行事を行うことが多いそうです。
内町・御屋敷町内会の活動には、春のクリーンアップ、刈り払い、河川清掃、秋祭り、防犯・防災対策、雪対策などがあり、別々に行うこともありますが、ほとんどは2つの町内が回覧板などで連絡を取りあって一緒に行っています。
住民の方は「年上の人にお世話になってきたので、その人達に喜んでもらいたい。花見などの行事を増やして、楽しませてあげたい」と、笑顔を浮かべながら話します。
御屋敷集落では、平成21(2009)年度に秋田県・湯沢市・秋田大学と合同で「明るさ・希望調査(集落点検)」を、さらに、平成22(2010)年度には「元気ムラワークショップ(集落座談会)」を開催しました。平成23(2011)年度には内町集落も交えて、集落の資源やその活用による活性化等について話し合い、その中で声があがった「えびす俵を復活させたい!」という住民の皆さんの意見が形になり、同年「えびす俵」の風習を復活させ降木神社へ奉納しています。
「えびす俵」の俵や御幣などは、集落の女性たちが作っており、「お母さんたちの得意技を引き継ぎ伝えていきたい。それが、これからの内町・御屋敷町内会の目標」と両町内の方は話します。復活と伝承、その言葉には「つながる想い」があります。年上を敬い大切にする心、そして集落への想いが、内町・御屋敷町内会には溢れていました。
平成24(2012)年5月掲載
【関連リンク】産地直送ブログ
→じょやさ!じょやさ!賑やかに内町・御屋敷地域でえびす俵を奉納(2018年掲載)
→今年で6回目!内町・御屋敷の芋の子汁会の様子をリポート(2016年掲載)
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